昨日のお話させていただいた曲ったような珍竹は実は大変価値があり、当然一点モノでもありますので大切に室内装飾などに使われてきた竹素材なのです。以前、琵琶湖のほとりに建てられていてる山元春拳という方の旧邸「蘆花浅水荘」に行った際にも、こじゃんと(とても)面白い竹が床の間に使用されちょりました。このような竹が、どのように使われるのか?特に床の間の生活をご存じない若い方にはイメージできにくいかも知れないので一度ご覧いただきたいと思うのです。
さて、今回ご紹介させていただいている図面竹も腰が折れ曲がったかのような格好ですが、実はこの竹は図面竹の模様の色合いが人工的に付けられた柄であるのと同様に、この曲り自体も竹職人さんの技術で曲げられているのです。どうですろうか?凄い技ですろう!?
それでは一体どうやって曲げているのかと言うと...、おっと、竹虎の事を少しご存じの方はガスバーナーの加工を思い出されているのかも知れませんにゃあ(笑)日本唯一の虎竹はガスバーナーの炎で高温に熱してから竹の曲がりを真っ直ぐに矯め直す加工をします。なので、こうやって面白い曲がりを出す時にも熱を入れて矯め木を使い曲がりを出すのではないかと思われる方もいらっしゃるかも知れません。
ところが...。
それは大ハズレながぜよ。昔からお取引をさせて頂いちょります京都の清水銘竹店さんにお伺いした際に木枠を沢山拝見させてもろうたのですが、この図面竹の曲がりは筍の時に、このようなカーブを描く曲がった特別な木枠をかぶせて作っているのです。竹職人と自然の竹との共同作業のようなものですぞね。こうやって木枠を設えても、人の思惑どうりに竹が曲がる事ばかりでもないし竹をそのまま置いておいても、このような曲がりには絶対に成長する事はないそうぜよ。
あの大きな孟宗竹を四角い形にしつつ、しかも曲げを入れるという高度なテクニックで出来あがる図面竹は、まさに京都の熟練竹職人の技の結晶とも言えますろう。まっこと、竹の世界は驚きに満ちちょりますぞね。
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