京都に数百年続く老舗料理屋さんにで瓢箪の形をした竹籠が置かれちゅうのを拝見した事があるのです。いつから、ここにあるのか?年期の入った風合いに呼び止められるように足が止まり、ついつい魅入ってしまうがです。記憶に間違いがなければ、その昔に名のある方が、こちらのお店にお持ちになられたと聞いたように覚えちょります。一体誰が編まれたのか、いつの頃のものなのか詳しくは存知上げちょりませんが確かな事は、虎竹の里の竹で編まれたものという事ですろうか。
日本唯一の虎竹は、高知県が土佐藩と呼ばれていた頃には時の権力者に献上される貢ぎ物としての役割も担うてきちょります。明治、大正と時代は移りますが、その頃の事なら安和の浜辺から船に積み込まれ遠く大阪は天王寺の工場まで運ばれていった竹やろうか?戦後の事ならば、今の竹虎のあるこの場所で加工されたものやろうか?
いづれにせよ、瓢箪は縁起の良いものとされて御守りなどにも使われちょります。末広がりの形が好まれる理由のようですが、語呂合わせで三個揃えば三拍子(三瓢)、六個だと無病(六瓢)息災に繋がると言われます。
けんど、自分が瓢箪と聞いて真っ先に思い出すのは豊臣秀吉ぜよ。難攻不落の稲葉山城(岐阜城)を攻め落とした際に当時の木下藤吉郎が槍に付けた瓢箪を振って見方に合図したという逸話があります。以来、草履取りから天下人へと、日本一出世した偉人の馬印は瓢箪となっちゅうのです。その瓢箪を、松竹梅と言われ縁起の良い竹で形作るとは最高の幸運グッズぜよ。しかも、千里を駆けると言われる勢いの「虎」の竹やきに、「瓢箪×竹×虎」これは絶大じゃ。
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