ちょうど虎竹の伐採が今月末までという事でもないと思うのですが先週は毎日のようにお客様が来られちょりましたぞね。華道家の長尾寛己さんも、わざわざ遠くからお越しいただいた嬉しい来客のお一人です。
日頃から華道を通じて花や植物に触れられる事が多いことや、ご出身が四国であり小さい頃から竹に親しんだ事などもあって自然や虎竹に対するご関心が本当に高いと感じちょりました。山道を登って行く途中から、ずっと先の竹林が見え始めると声を上げられます。まっこと(本当に)こうして喜んでいただけると山まで来た甲斐があると言うものながです。
虎竹は霜が降りるくらい寒くなってくると色付くとか言われちょります。昔からお年寄りの話す伝説程度に思いよりましたがどうやら気温というのは虎竹の色付きに密接に関係があるようながです。虎竹の里も昨年末まで温かい日が続きよりましたが、年明けから少し寒さが来て安堵しよります。そんな話しをしていたら山の職人さんが通りかかります。
こうして都会の方、山の職人さん、日頃は顔を合わす機会もない皆様方が虎竹を挟んで言葉を交わし、心を通わせる事ができるのが本当に嬉しいがです。
この日に伐採している竹林は比較的、道路から近い場所でしたので山出し用の機械を使わず一束づつ担ぎ下ろしているのですが、どうせならと先日も来られたお客様にしていただいたように重さを体感いただく事にしたがです。
「痛っ...」予想どおり、ズシリと来る重さに肩にのせる事がなかなかできないがです。
伐ったばかりの、こじゃんと(とても)重たい虎竹...。この竹を細く曲がりくねった山道を運び出すと思うと、そのご苦労が分かっていただけるのですが、束から一本だけ竹が飛び出しているのに気づかれます。
束にしていて運ぶうちに一本だけ飛び出したのか?いえいえ、もちろん違います。
実は竹の束は重たいだけでなく太いのです。肩に担ぐと、腕をその太い束にまわさねばならず更に疲れてしまいます。そこで、一本だけ出して肩に掛けるようにして運び出して行くがです。これぞ「虎竹一本背負い」、今日もイッポン!勝負ありぜよ。
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