香港からマサ(Ambrose Kwan Ching Leung)さんがやって来たぜよ。この方には現地で、こじゃんとお世話になっちょりました。海外など右も左も分からん田舎者の自分が、思いつきで気軽に飛んで行くことができたのはマサさんのお陰ながです。
タイガー・タケトラIN香港にも書いていますけんど、そもそも、この方はテレビ局のカメラマンをされていただけあって、竹虎四代目の香港での衣装(?)にも全く動じることがありません。まっこと肝の座った御仁じゃにゃあ...ポーカーフェイスなマサさんなのです。
さて、前日の雪が嘘のように晴れ渡る虎竹の里に来られたマサさんに通訳の方を通じて虎竹の里の不思議をお話させてもらうがぜよ。この地に立って、焼坂の山々を眺め、本当に狭い地域でしか虎竹が成育しないことが分かると「ワンポイントファイブ、キロメートル...」驚きの表情を初めて見た気がするがです。
虎竹の里には、普通なら全国各地どこにでも沢山生えている孟宗竹が極端に少ないがぞね。山に見える竹は、ほぼ全て虎竹と言うてもエイくらいながです。香港では高層ビルの足場にも竹を使いますので、もしかしたら竹には結構馴染みがあるのだろうか?町には工事現場の竹材を専門に扱うような会社様ありました。
元をたどれば孟宗竹は江戸時代に中国から入ってきた竹でもあるし、孟宗竹と虎竹が細い山道を挟んで綺麗に棲み分けしている所などもお話しさせてもらいます。ところが詳しく聞いてみると香港の足場竹の大部分が中国大陸から運ばれてくるものでマサさんたち香港の方には竹林などにはあまり馴染みのあるものではないようでしたちや。
それなら、やはりこの日本唯一の竹林に遠くお越し頂いた甲斐がありましたぞね。竹虎の製品をお求めいただいた事が、ここに来られる事になった始まりですがお手元に置いて頂いてある虎竹細工のルーツがここであり、初代から100年にわたり自分達の心の拠り所、まさに中心がここながです。
伐り出された竹が選別される土場には竹が広がっちょります。竹など竹林に行けば無数にありますし、トラックに山積みされた竹でも大変な量ですけんど、こうして一本づつ色付きや太さを選り分ける事を真剣に聞いてくれて嬉しく思いましたぜよ。たかが竹、されど竹なのです。
アウトドアや自然をこよやく愛するマサさん。香港は狭い地域に沢山の人が暮らす人口密集地でもありますので、このような静かで心地のよい竹林は自分達以上に楽園のように感じられゆうのかも知れません。東京から来られる方々と同じような表情、そして質問に竹の普遍性を改めて思いますぜよ。
コメントする