日本唯一の虎竹自動車プロジェクトで一番のご支援をいただいたヒロタリアンさんが高知にやって来られちょりました。昨年末12/21日のブログ「ヒロタリアンさん来高」でも、お話しさせて頂いた続きになりますが今回のプロジェクトをご存じない方のためにご説明しておきますとクラウドファンディングという手法を使うて、全国の皆様に虎竹自動車を製作する費用を応援いただいたのです。一番高額な支援を頂いた方には、実際に虎竹の里にお越しいただき虎竹を伐採し、山出しや選別、製竹作業などをしていただいて、ご自身の伐採した虎竹を使い自分達がご希望の竹製品を作るという竹虎の長い歴史の中でも初めての取り組みをさせて頂くがぞね。
けんど、そのためには虎竹の伐採期間が1月末までと決まっちょりますので、それまでに一度高知にお越しいただかねばならなかったのです。お忙しい中、何とか都合をつけてお越しいただいたヒロタリアンさんを全員でお出迎えさせていただきましたぞね。
虎竹の里の谷間は間口が、わずか1.5キロ程度しかありません。細長く奥にのびた山の麓から山頂までは虎竹があるのですが、山を越えると竹が無くなるという不思議な地域。かって取材に来られちょったイギリスBBC放送の方が「ミラクル!」と言うた通りの土地であり、竹なのです。
日頃の行いがエイのですろう(笑)。最高の天候に恵まれた中、早速虎竹の故郷、焼坂の山に入っていきます。竹林までの道は山出しの機械が通れるだけの幅しかない細く曲がりくねった急な山道、辿り着いた目的地である竹林も急な斜面が続きますぜよ。
どこまでも広がるような虎竹の竹林ではありますが、実は全ての竹に虎模様があるかといえば全く違いますぞね。虎竹でも、その年に生えた新竹には模様は全然入っちょりません、3年くらい経った竹にようやく模様が入り始めますけんど、それでも模様が綺麗に入るのは本当にごく一部。ほとんど色が無かったり、半分だけ虎模様だったり...。なので、どうやって伐採するかの前に、良い虎竹を選ばねばなりません。どの竹を伐るか竹虎専務がヒロタリアンさんに指示させていただきます。
「この竹を伐りましょうか!」
専務の声で伐採スタートぜよ。都会から来られたヒロタリアンさんですが、日頃から地域の活動で汗を流されてる方だけあって完全装備、そして、ノコギリの使い方も様になっちゅうのです。
竹を伐り倒した後は竹の枝をナタで落としていきます。枝打ちは、虎竹の大切な表皮をキズ付けないように気をつけて行います、足場の悪い竹林での作業なので大変です。
竹とは実に面白く不思議な植物ながです。木でも草でもなく、硬さと柔らかさという両極の性質を併せ持っています。
「この竹は、生えてから何年くらいたっていると思いますか?」
ヒロタリアンさんに聞いてみましたが、比較的小降りな竹なので生えたばかりと言われるのが普通なのです。
ところが竹は、小指ほどの細い黒竹であっても驚くほど太い孟宗竹であっても全てタケノコからわずか3ヶ月で親竹と同じ大きさに成長するがです。記録によれば1日に120センチも伸びると言いますので、まっこと(本当に)雨後の竹の子とかいう言葉ができるはずながです。
竹を伐るのは、かなりな重労働ですぞね。けんど、このような竹林で小鳥のさえずりや、谷川のせせらぎの音を聞きながらの仕事は何とも気持ちがエイものです。おっと下の竹林に人の気配ちや、誰かが登ってきています。
ここまで上がってくるのは竹虎の職人くらいのものです、そろそろ一息入れたらと言う事で熱いコーヒーを運んで来てくれたがです。ポットを入れちゃある竹籠は元々は真っ白い晒竹(さらしだけ)で編まれたものですが年期が入って渋い飴色になっちょります、さすがやにゃあ。
日本唯一の虎竹林で飲むコーヒーは、まっこと格別ぜよ!ヒロタリアンさんも、都会で生活されて色々な美味しいコーヒーは飲まれてきたかも知れませんけんど、もしかしたら、こんな一杯は初めてやったのではないろうか?さて、これから伐採した虎竹を運び出しますぞね。
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