自分が初めてニューヨーカーに出会った時は、ちょうどこんな形で目の前に現れたがです。懇意にして頂く竹芸家渡辺竹清先生の工房で壁掛けとして飾られいましたが、まっことそれも頷けるような面白さぜよ。何ともモダンで近未来的というか、斬新な作品を発表されているアーティストの最新作と言われても納得してしまうような造形です。
この時の竹製のものが原型となり、虎竹製のものも復刻でき、そして今度はメガネの素材に使われるセルロースアセテートで作ってみる事になったのです。どうですろうか?この形だけでも惹かれるものがありますが、曲線に光が当たったりしますと又面白い陰が出来て更に作品としての深みも出るのです。しかし、これが50~60年も前に開発されたものである事、それが海外に輸出されていた事、そして、今でもこのデザインのユニークさにアメリカで持ち歩かれる方もおられる事等小さなバックひとつに、大きな大きなストーリーが秘められていますにゃあ。
平らに広げた形を元に戻したら、これが見事なバックになる、本当に良く考えられた機能的な製品なのです。サイズを違えると、もっと面白いものも出来そうです。このバックに持ち手、留め金具が付くのですが、何と言うても留め金具が大変ですぞね。別誂えの金具を手作りいただける職人さんは日本にも少なくなったと聞いて以前、煤竹バックに金属製の蝶番と留め金具を製作した事を思い出したがぜよ。
あの時も、まっこと苦労しましたちや。色々と探しまわったあげく、結局は銀細工の職人さんにお願いして金と銀を使うた少し高級すぎる金具となってしまいましたが、最後には大満足できる物をようやく作る事ができたのでした...。アセテートニューヨーカーも最後に取り付ける金具ひとつで、バックとしての印象が大きく変わってしまうかも知れないのです。
広げたニューヨーカーを並べると蝶が連なって飛んで行くようなイメージに見えませんろうか?ちっくと無理矢理ですかにゃあ?けんど、今回の新バックは来月に開催されるニューヨークでの展示会COTERIEを目指した挑戦なのです。この展示会には審査があって第一関門は突破できましたぜよ!けんど、まだ第二関門があって只今結果待ち。蝶が羽ばたくように軽やかに、スピード感はないですが前身あるのみ、力一杯取り組むだけなのです。
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