お土産物屋さんなどで、動物の顔を模った焼き杉の鍋敷きをご覧なったことはないですろうか?クマさんの他にはサルやウサギ、パンダ、ネコ、フクロウなど人気のアニマルが勢揃いしちゅうがです。自分が小学生の頃に開店した竹虎本店は全国の竹製品、竹細工、竹工芸をズラリと並べた竹の専門店でしたけんど、当時からちょうど四万十川観光のお客様が増え始めた時期と重なった事もあって、沢山の観光バスにお越し頂くようになっちょりました。
そこで、竹製品だけではなく、このような、ちょっとした木製品のコーナーもあったがです。子供だった自分にとっては、高価な竹工芸品よりも見ていて楽しく、面白い玩具などと同様に焼き杉鍋敷きが実は割と馴染みのある商品のひとつでもあったがです。
ところが、製品としては良く見ていたものの、どんな風に作られているのか?今まで一度も拝見する機会はありませんでした。今回たまたま工場にお伺いさせてもらう事があって職人さんが、ひとつひとつ手作りしている様子に出くわしましたぜよ。ジュージューと音をたてて置かれちゅうのは八の字型した金型ぞね、どうしてコレ程熱くなっちゅうかと言いますと...。
金型をフクロウの形に切り抜いた杉材の上に置いてガスバーナーの炎で焼いていくのです。
ジュージューの次はゴーゴーぜよ。激しい炎で杉材は、あれよあれよと言う間に焦げて真っ黒になっていきますぞね。
先ほどの八の字型の金型をのけたら、その部分だけ焼けずに白木のまま残っちゅうという寸法なのです。まっこと単純な事ながですが、思えばこのような簡単に見える製品ひとつにしても、実際に目で見れば気づいたり、分かったりすることが沢山あるのです。
次に裏面を一面ずっと焼き上げて、焼き上げ工程は終了なのです。もしかしたらベルトに載った木材が次々に焼き上げられゆうのかも知れないと思ってもいましたが、とんでもない、一枚一枚こうやって手焼きする作業の繰り返しですちや。こうして職人さんの手により焼き上げられたものは次の工程では綺麗に水洗いされ、乾燥、塗装という流れを経て出荷されて行くがぜよ。クマさんのルーツを知ることができて、ちっくと嬉しい工房見学やったのです。
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