東京は、まっこと何処に行っても人がいっぱいですちや。通勤時間と重なる時や何かのイベントなどの時は仕方ないとしても、普通に歩いているだけでも押し寄せる人波というのは田舎者にしたら何か落ち着く間がないですにゃあ。ホッと心が落ち着くような所は、この大都会で見つける事は、なかなか難しいのではないろうか?そう思いよりましたが先日行った夜の天王洲アイルの静かな空間は、まるでオアシスに行き当たったように嬉しかったがぜよ。
こういう場所をウォーターフロントと言うがですろうか。すぐ前には大きな水路があって人影もまばらな桟橋のデッキは広々として本当に気持ちがエイのです。このような場所に来ますと遠くに見える街の灯りというのも綺麗に眺める事ができますぞね。倉庫に使われていたらしい大きな建物を改築してカフェや雑貨店などが店を構える一角を、ゆっくりと歩いていくのです。
ここら辺りは大人の粋を感じさせるようなお洒落な雰囲気が漂うちょります。ずっと前に見えてきた倉庫にの壁には12月らしい灯りの点るリースが掛けられています、綺麗な光に引き寄せられるように近寄ってみると、ありゃあ?どうやら、あまり見たことのないリースのようですぞね。
ちかけんさんという熊本を拠点にして活動される竹灯りの会社様があるがです。実はこのリースも、こちらの製作で、数本の竹筒に小さな穴を開けて円形に固定した竹製リースやったがぜよ。竹灯りのイベントは九州を中心にして、今では全国各地で行われるようになってきました、街全体を竹灯りで点したり、小山の竹林に全て竹灯りを並べるなど大掛かりなものもあって何カ所か行く機会がありましたけんど、それぞれが工夫された光の演出をされちょります。
竹は日本人の身近にあって昔から人の暮らしの中でなくてはならない自然素材の一つとして大きな役割を持っちょりました。それが、生活様式や新素材への転換で忘れられ、放置竹林が里山に広がり、まるで竹が悪者のように思われている所もあるようですぜよ。けんど今まで竹が多くの恵みを人に与えてきたからこそ、こうやって日本全国あらゆる所に竹林が広がっている事を皆様に忘れて欲しくないがです。竹灯りのイベントも、活用されなくなった竹を今一度思い起こして新しい役割を見つけたい、そんな思いから始まったものですろう。大小のサイズを違えた丸い穴から零れる美しく面白味のある光が、自分には竹の希望の輝きのように見えてくるがぜよ。
静かで、センスの良い大人の街に突如現れた竹灯り。竹と言えば和風なイメージが強く、洋への活用が難しいようのに思われがちですけんど、この竹灯りをご覧になられる多くの方が、竹筒からの優しい光を楽しまれ心躍らせていただければ、それは又竹の新しい顔となりますろう。夏のイメージがあり今まであまり考えた事もない、縁遠いように思っていたクリスマスを、竹が盛り上げているのです。
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