竹林景観ネットワークという竹の勉強会の皆様が虎竹の里に来られちょりました。年の瀬が近づいてくる中、今年最後の竹林見学会となったかです。ネットワークの皆様は日本各地からお集まりになられた方々ばかりですが、前日には当社とも縁の深い牧野植物園さんで竹研究の講演会を開き、翌日には現場研修という形でお越しになられたのでした。
メンバーの皆様は東京大学、京都大学、同志社、国連大学など大学の研究者の方が多かったように思いますが、団体職員の方、会社経営の方、学生の方と竹に関わる産官学民の方々やったのです。ちょうど日曜日とあって、会社には自分しかおりません。思うたよりも沢山の20名近い方々がお越しです、しかも少しお話しさせて頂くだけで竹への思いがヒシヒシと伝わる皆様です。挨拶もそこそこに、まず日本唯一の虎竹林にお連れさせてもらう事にしましたぜよ。
ちょうど虎竹の里では只今伐採のシーズンです、皆様をお連れした竹林にも先日まで山の職人さんが機械を入れて伐採しちょりましたので、もしかしたら山出しの仕事もご覧頂けるかと思っていましたが残念ながら他の山に移動しちゅうようです。
手入れをされず放置されて立ち枯れが起こっているような場所を「竹藪」。しっかり手入れされて風通しも陽当たりもよい場所を「竹林」と呼びますが、まさに虎竹の里には、そんな美しい竹林が広がっちょります。
けんど、どうしてここの地域にだけ虎のような模様が付くのか?皆さんの興味もそこにあるようで沢山のご質問を頂戴します。こうやって打てば響く様な具体的な話しができるのは皆様が日頃から竹に関心を持ち、関わり続けられちゅうからですろう。まっこと嬉しい気持ちになるがぜよ。
虎竹は淡竹(ハチク)の仲間であり、山で見ていただく原竹は表皮の白く靄がかかったような下に虎模様が隠れています。それをガスバーナーの炎で炙り、高熱を加えて油抜きする事により、まったく見栄えの違う虎竹に生まれ変わるがです。
製竹作業を終えた虎竹は、これが同じ虎竹なのかと思うてしまうほど竹の表皮が竹林で立っている時とは違いツヤがあり輝いちょります。初めての方なら何かニスのような塗料でも塗ってあるのかと思われるようですが、この輝きは竹から出た自然な油質によるものぜよ。何かを人工的な塗料を塗るような事は無いがです。
工場長が虎竹を使った網代編みを途中までしかけて置いてあります。細かい竹編みに目がいきますが、実はその横に無造作にある竹ヒゴを作るのが大変ながです。竹細工を習われている方がおられて、編む事よりも竹ヒゴ作りが出来ないとお話しされよりましたが、竹細工の良し悪しは竹ヒゴで決まります。
虎竹の油抜きのガス窯や細工場などをご覧いただきますが、やはり自分達の一番の目の前の課題は日本唯一の虎竹自動車プロジェクトぜよ。クラウドファンディングを使うて全国からのご支援を頂戴しちょりますので何とか最高のものにしたいとプレッシャーを感じている真っ最中。来年は、いよいよ形にせねばならないのです。出来上がりましたら竹林景観ネットワークの皆様の、それぞれの地元などにも行かせてもらい何か協働できる事がないだろうか等とも考えているのです。
今回の牧野植物園で開催された講演の概要を拝見すると、中心課題はやはり竹の有効活用に尽きるようです。自分達にとりましても、今後考えていかねばならない大きく非常に関心のある問題ぞね。
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