東京のテレビ局から電話があって白竹抱き枕ゴザ目について色々とお話しをさせて頂く事になったがです。こんなに秋も深まった季節外れの時期に竹の抱き枕かにゃあ...?不思議に思いよりましたが、どうやら何か別の話題があって、それに付随しての紹介のようですぞね。竹の抱き枕は、竹夫人(竹婦人)とも言われちょります。普通の抱き枕は一年通して使えるものがあるかと思いますが、竹の場合は、竹編みの空洞が風通しがよく、竹表皮の清涼感と共に夏の暑い時期にだけ多用されるものなのです。
温暖化もあってか夏の電力消費量は凄いものがあるようです。そんな中、環境意識の高まりや節電を考える中でエアコンの設定温度を上げるための工夫が、いろいろとされてきちょりますが 竹の抱き枕もそんなアイテムの一つとして注目されているのです。これも別に新しいものでも何でもありませんぞね、団扇くらいしか涼をとる手段の無かった頃には重宝されてきた快眠グッズであり、目新しいモノだと言うていただく方がおられましたが、実は日本人が忘れてしまっているだけの竹細工ながです。
もっと言うたら竹は熱帯性の植物で東南アジア一帯にあり、各国でその地域にあわせた竹細工が発展、継承されてきちょります。お隣の国、韓国でも竹抱き枕は同じような形のものが編まれよりました。韓国の若い方達にしても、もしかしたら日本同様に竹の抱き枕などご存じない方が多いかもしれませんが竹の本場、潭陽(タミャン)では竹職人さんが編まれていたのを拝見した事があります。美しい竹林が広がる土地柄もあり、竹への親しみが深く、地域ぐるみで竹文化を盛り上げていこうという人々の思いが伝わる街なのです。
同じように台湾にも形がそっくりな竹抱き枕がありましたぜよ。このような竹編みを拝見する度にアジアは竹で繋がっちゅうという思いを強くするのですが、近年は、どこともエアコンが普及しちょりますので本来の使い方もありながら、照明器具やインテリアとしての使われ方も多いように思われました。また、アジア各国の街で売られています竹製品の中には中国製のものも予想以上に多いのです、だから、もしかしたら輸入の竹抱き枕などもあるのかも知れませんにゃあ。
もう何年も前になりますが、ただの六ツ目編みの抱き枕では面白くはないと思うて、自分がデザインを描いたものを職人さんが形にしてくれたのが今の白竹抱き枕ゴザ目ぜよ。海外で見かける竹抱き枕は、竹表皮部分を剥いだ磨きの竹ヒゴで編まれたものが多かったのですが、より強度を出して耐久性を高め、竹肌の触り心地をヒンヤリさせるために白竹を使うちょります。熟練の竹職人が編み上げる竹の曲線美を、ご体感いただきたいと思うちゅうがぞね。
コメントする