光岡自動車さんの工場では自分の訪問にあわせて製作の進行を調整していてくれました。そこで車体の骨組みの状態から、車体部分を少し完成させた状態など拝見させて頂く事ができたがです。車の製造現場などは、近くの整備工場に行った事があるくらいで、ほとんど見た事がありませんでしたけんど、やっぱり現場にはインスピレーションを刺激してくれるモノがはいっぱいぜよ。
現物のLike-T3を見るのは、これで3回目になるのです。一番最初の時には、実際に大阪の街を試乗させてもらって、操作性や走りに感激しちょりました。しかし、まだこの時点では竹の車になる具体的なイメージなどは無かったのです。都会の大きな道路でも普通車と同じように流れに乗って進める快適な走りに感心し、ただただ、光岡自動車の電気自動社は乗り心地がエイにゃあと思っていた段階やったのです。
2回目に見せていただいた時にも走ることのできる状態の完成されたLike-T3です。この車体に虎竹をどうしていったら良いものか...正直言うて「これ」というものは全く見えて来ませんでした。今回も確かな何かがあった訳ではありませんけんど、繊維強化プラスチック(FRP)のボディのないフレームの車を見せてもらいますと、今まで想像することも難しかった竹の造作やイメージがほんの少しだけでも見えてきたのは大きな収穫やったと思うちょります。
繊維強化プラスチック(FRP)と言うと、父親が虎竹の里のすぐ前の海に船外機付きの小型船で釣りに行きよりましたが、その船体を思い出します。糸のような繊維質がプラスチックの中に混ぜ込まれているため軽いのに非常に強度がある素材なのです。車のボディにまで使われるとは知りませんでしたけんど、厚みをつけることによって鉄板等と同じ強さがあるとの事ぞね。ところが今回は竹の強さや、しなやかさ、軽さなどが、鉄板やFRPにも負けない素材であることを広く知っていただきたいための竹ボディ。この車体が、一体どのような竹で形作られるのか?今はまだ、おぼろげに想像するしかないのです。
古来、日本人は竹と共に暮らしてきたと言うても過言ではないがです。毎日の生活には身近で加工性の高い竹が必要不可欠な素材として、ありとあらゆるものが竹で作られちょりました。それなら、車はどうやろうか?車の印象を大きく決めるフロント部分、ヘッドライト、サイドミラーなどは、どうやろうか?公道を走る自動車としての機能、安全性を確保した上で、竹で出来る事は妥協なく全て挑戦したいと思っています。そして、まさに、この挑戦こそ竹虎からのメッセージとなるはずなのです。
コメントする