昨日の竹垣や袖垣など屋外で使う竹もそうですが、家の中でも毎日のように使う竹細工の大きな魅力の一つには時間の経過と共に増してくる風合いがあると思うのです。竹製品や竹の種類にもよって、それぞれ違う趣がありますけんど竹表皮を薄く削った磨き加工された竹は比較的に色合いが変わりやすいもです。熟練の職人さんが若い頃に自分で編んで使っていた魚籠などには、飴色を通りこして赤茶けた色合いになっているものなど、新品の頃とは比べものにならいほどの風格を備えた顔つきになっちょります。
けんど、色合いの変わりやすい竹が良いかと言うと、そう言う事でもなくて白竹など、すぐには色合いが変わってこない竹だとしても、十年、二十年愛用する中でじわじわと飴色になってくるものは、やはり時間をかけないと醸し出されないその竹独特の色合いと雰囲気があって素晴らしいものながです。
そういう意味ではメゴ笹洗濯籠なども色合いの変わり方は、青々とした竹を編み込みますので、その色合いでいるのはほんの一時、数日経ってお客様のお手元に届く頃にはその色合いが抜けているほどです。それから徐々に色合いが落ち着き、枯れた風合いになってきて一年、また一年と愛用していきますが、なんの変化もみられないと思うほど、ゆるやかな変化ではあります。
けんど、それが数十年大事に使い続けよりましたら、こんな色合いになってくるとは、信じられますろうか?実際に長く使い込まれた古いメゴ笹を見せて頂くと編み方や形も似ているのでパッと見ただけだと、シダ編み籠かと思うほどですぞね...。
おっとシダ編みと言うても、もしかしたら、シダの製品をご存じない方もおられるかも知れません。この話しは又違う機会にお話しさせてもらいたいと思うがです。
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