竹を手にする度に、人のお手本となる事を思うがです。竹林に天を目指すかのように凛として立つ竹の姿は美しく、あのような真っ直ぐな心でといつも思いますし、地下茎で、それぞれの竹達が繋がり助け合う姿も人の営みになくてはならない大切な事そのままと思います。
そして、あまり見慣れない少し高さのある竹籠に出会うても仕事の丁寧さや、しっかりした作りと経年変色の渋さに唸りながら不思議な心持ちになってくるのは、これが、すべて竹で作られた細工であるというごくごく普通ので、当たり前の事なのです。あの硬く真っ直ぐな竹を細く、細く竹籤にすれば柔らかく、しなやかな性質になり、前の形からは考えもできなかった柔軟性でもって丸みを帯びた曲線を形づくる事ができますぞね。一方、竹を厚みがある形でそのまま使えばこの高足籠のように、少しくらいの重さではへばる事のないしっかりとした硬質の素材として利用できるがです。
柔らかいだけでもイカン、硬いだけでもダメ。柔軟さと、硬い部分と両面をバランスよく兼ね備えよ。竹が、そう人に教えてくれているように思えてくる竹籠。つくづく竹は凄いぜよ。
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