香港のビルは竹で作られる?

香港高層ビルの竹足場


香港の建築現場の足場には竹を使うというのは有名な話なので、きっと多くの方がご存知かも知れませんが初めて聞かれる方だと、建築に竹を使うといってもたかが、竹だろう?だったら2階建てか、3階建てくらいの民家やビルの修繕か何かのめたに簡易に足場を組むのだろう...。もしかしたら、そんな風に高をくくっておられちょったら、それは、ちっくと大間違いですぜよ!


20数年前に来た香港では、天を見上げるような数十階建ての高層ビルを一面竹の足場で多い尽くして、その足場では、まるで米粒のように小さく見える建設作業員の方々が仕事をされていたのを思い出すがです。


今回は、そのような首が痛くなるほどの高層ビルではないにせよ数えてみたら25階以上はありそうな大きなビルの足場に、やっぱり、しっかりと竹が使われちゅうがです。それにしても斜めに突きだした無数の竹が要塞のように見えますにゃあ。


香港の竹足場の紐


こんな高いビルの足場を支えちゅうのは全て竹ですが、それぞれの竹は、触ってみると丈夫ではありますものの決して太いとは言えないナイロン製の紐で縛られているだけ。命を預ける高層ビルの足場に、こんな簡単で良いのか?と心配になってくるほどですが全てのジョイント部分は、このような設えになっちゅうようです。


香港の竹足場の竹


香港は土地が狭いため高いビル通りにズラリと並んで建てられちょります。そのため外壁の補修工事を必ず街中のどこかでされている状態だと聞きます。竹の足場は一年中あちらこちらに設置されたり、取り除かれたりを毎日のように繰り返しているというワケですぞね。なので、こうやって道路脇に竹材が積まれているのは日常の光景ながぜよ。


香港の竹足場


ビルの外壁の足場だけではなくて、歩道の保護用としても使われちゅうのは全て竹材。近代的な美しい建物や町並みとは対照的にも思える、このアンバランスさが、この町の魅力のひとつかも言えるのですろうか。


しかし、大量の竹材の生産地が近くにある事を考えても、これだけ新しい素材や、丈夫な建築資材が沢山ある時代に今でも、こうして竹の活躍の場が有り続けているのは、どうしてやろうか?鉄の足場などは竹とは耐久性は比べものにはならず何度も繰り返して使えるのでコストという事ではないような気がしちょります。軽さ、しなやかさ、強さという竹ならではの機能性が香港の建築現場の皆さんに支持され続けている証ではないろうか。


扱いやすく、信頼されているからこその竹材と思う時、目の前にあるビルをはじめ街中のあちらこちらに使われている竹は又違うて見えてくるがです。


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