美しく、力強く咲いた底編みの花

竹籠底編み


休みになったら満開のコスモス畑に行く方が多いようですけんど、竹虎で満開になっちゅう花も、こじゃんと(とても)綺麗ですぜよ。この竹職人さんの使う竹は淡竹(はちく)と孟宗竹が中心です。主に竹細工に使われ竹は真竹が多いと思いますけんど、日本には各地に竹があって、昔から身近で加工しやすい素材として重宝されきた伝統がありますので、地域によって色々な違いがあり、いやいや、そうかと思うたら技術交流でもしたかのような同じ技が残っていたりして、この辺りが竹の面白い所ですにゃあ。


竹籠底編み


それにしても美しい、そして素晴らしく力強い底編みです。磨きと言われる竹表皮を薄く薄く剥いだ極幅広の竹を何枚も重ねて耐久性という機能を求めて細工した技が、ハッと気づいたら、こんなに綺麗で見事な造形となっているのです。磨きの竹は更に時間の経過と共に飴色のような色合いが深まり見事としか言いようのない竹に成長していきます。


竹籠底編み


もう一つ、横にある底編みも凄いですちや。この土間に並べられた真新しい竹細工達は全て農作業など毎日の仕事に使われる籠達なのです。カンカン照りの日もあれば、小雨の降る日もありますろう。そんな中で、土に汚れながら重たい荷物を運ぶ強者達でもあります。


だから、やはり一番に求められるのは強さ、逞しさなのです。親から子へと伝えながら、長い時間をかけて現場のタフな条件で鍛われ続けてきた本物の竹籠ですから、ご覧になるのが初めての方にでも、その迫力は伝わるのではないかと思いよります。まっこと、もしかしたら口があんぐりになられる、そんな方がおられる様子が目に浮かぶようながです。


コメントする