孟宗竹は高さが20数メートルにもなる日本最大級の竹ながです。直径も真竹や淡竹に比べると一回りも二回りも大きく、肉厚と丈夫さから割竹にして建仁寺垣の素材として使われたり、あるいは丸竹そのままでも庭垣の素材や袖垣の芯に多用されてきた竹ですぞね。もちろん竹籠などの素材として使われる事もあって、竹ヒゴにして編み込みに使う場合には主に骨部分や力竹として好んで職人さんに使われてきちょります。
江戸時代には孟宗竹の大きさからか、庭に植える事が武士の間でひとつのステータスシンボルのようになっていた事もあるそうですが、珍重されたきたのには、もっと実用的な理由があり、それが食用利用、つまり筍だったのです。あれだけの大きな竹から生える太い筍は日本中の里山で貴重な食料として、多くの人々のお腹を満たしてきたのです。
そんな孟宗竹(もうそうだけ)を利用した竹ワインクーラーは、太い竹の中でも出来るだけ直径が太い3年、4年竹を厳選して伐採します。竹は根元が太くウラ(先端)部分になるに従って細くなります。身の厚みも違ってきますで一本の竹から製品に出来るのは、ほんの数個ぞね。それらの竹を、十分に乾燥させてから、ひとつひとつ加工していきます。最近、リクエストの多いのは、お店様などの刻印サービスぜよ。黒塗りしたワインクーラーに白い墨入れをすると、お名前でも、ロゴマークでもクッキリと浮かびあがるように見えて、まっこと、なかなかエイ感じながです。
竹は実は丸くないのです、歪みがあったり、楕円であったり。けんど、そんな自然そのままの竹の形と、底の竹節とを活かした作り。竹の表皮を削る時に凹凸が出るように、あえて粗削りして、野趣あふれる風合いをお楽しみいただきたいと思うちゅうがです。
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