走りたい。どこまでも。

竹虎四代目(山岸義浩)


先月より何度かご案内させて頂いております。日本唯一の虎竹自動車プロジェクトは、いよいよ残すところ後5日...。来週の火曜日10月6日が最終日となっちょります。


今回のプロジェクトを開始するにあたって色々な事が頭をよぎりました。こんな田舎の小さな竹屋には大きすぎる目標。虎竹の自動車を走らせたいという自分の勝手な思い。けんど、考えたらワクワクする、ドキドキする。こんなに楽しくて、胸が弾むような気持ちなる事やったら、間違いないろう、やらないと後悔するぜよ。そんな自分の目に飛び込んできたのが、矢沢永吉が登場する日産自動車のCMでした。


「やるか。やらないか。」
「やっちゃえ、NISSAN」


ちょうど、やりたい事が虎竹自動車、同じ車やっ!あの永ちゃんが自分に言うてくれてるように感じました。


「やっちゃえ、TAKETORA!」


だから、クラウドファンディングの事も、そこまで十分調べることなく飛び込んだがです。もちろん、やれると信じて疑いませんでした。自分が、これだけ熱くなることなら、「やれる。」


ところが、燃えてスタートしたプロジェクトではありますが、渾身の力を込めたページも虚しく、ご支援は、さっぱり...全く頂くことができません。一体何がダメながやろうか?一人よがりの夢に誰も興味も関心もないがや。暗闇にポツンとした気持ちを思い出しよりしました。それは、インターネットを始めた2000年前後の事、何をやっても、どれだけ大声を出しても誰も返事がなく、人気をまったく感じられずにいた頃の事ぜよ。


助けてくれたのは仲間やった。一通のメールが届いてハッと我にかえったがです。ウェブ制作でも竹屋のプロである自分が、専門職ゆえに見過ごしていて皆様に伝わらなかった事があった。今度も全く同じ間違いをしちょったがぞね。そんな同志とも言える方々の応援を頂戴してから流れが変わった。


ひとり、又ひとり。


応援の輪が全国に広がっていって、到底たどり付く事などできないと思いよった目標に、まっこと、あとわずかな所まで来ちょります。


皆様のお陰で、ここまで来られました。感謝の気持ちだけです本当にありがとうございます!


昨日、自分の机の上には、シワになった封筒が届けられちょりました。中を見てみると現金が入れられちゅう。差し出し人は、いつも竹を伐っていただく山の職人さん。応援したいけんど、インターネットを使う事ができないからと、こうして、こじゃんと温かい気持ちを直接届けてくれる地元の方々がおられるのです。自分は、この虎竹の里を、竹の文化を、ここの暮らしを、守る。その思いを強く、強く改めて思いよります。


日本唯一の虎竹自動車プロジェクト最終日の10月6日は、竹虎の64回目の会社設立記念日ながです。もともと大阪天王寺で創業した竹虎が虎竹の里に根をおろしたのは戦後の事ながです。不慣れな土地で祖父が裸一貫から築いてきた竹虎。地域の方に、ようやく認めてもらった日であったかも知れません。


10月6日の虎竹の里の空はどうやろう?いつものように青く、焼坂の向こうまで澄んでいるやろうか?そして、そんな上から祖父が見る竹虎はどうやろうか?沢山の竹人に囲まれて笑顔で見てくれゆうろうか...?


日本唯一の虎竹自動車は二人乗りぜよ。最初に横に乗せて一緒に走る人は、もう決めちゅうがです。



創業明治27年老舗竹屋の挑戦!!!日本唯一の虎竹自動車を創って竹の美しさ、強さ。伝統文化の素晴らしさを全国発信するプロジェクト。自分達と同じように小さく、弱い、地方のモノ作りをする全ての人に元気を届けられると信じちょります。


コメントする