竹炭黒猫クッキー

竹炭黒猫クッキー


ハロウィンなど自分の小さい頃には聞いた事さえなかったですけんど、まっこと時代ですにゃあ。今では、すっかり年中行事として定着しちょって、いつだったか都会の街を歩いていたら今日は何仮装行列でもあったがやうろか?と思いよったら、それがどうやらハロウィンの仮装やったようなのです。お化けやモンスターというより何か、ちっくと別の趣の方もおられて日本独特のハロウィンに進化しゆうのかも知れません。


まあ、それはさておきハロウィンも近いという事もあってか竹虎社員が竹炭パウダーを使った黒猫クッキーを焼きましたぜよ。白猫ちゃんや、マーブル状になったものもありますが竹炭があるだけで、こうやってバリエーションを増やして楽しめるのはエイですにゃあ。竹炭コウモリも、なかなかの雰囲気ぞね。


皆様の周りにも、竹炭入りのクッキーやケーキなど色々な食品が目につくようになっているのではないかと思います。けんど、もともとは「炭職人に胃腸の悪い方はいない」と昔から言われるように、調子の悪い時には炭職人さんは、炭窯でそのまま炭をかじっていたがです。昔の忍者が解毒のために炭粉末を持ち歩いていた等という話しもあります。


竹炭パン


新しいと思われちゅうかも知れませんけんど、昔らか日本で言い伝えられたり、使われたりしていたものながです。ホームベーカリーを購入当初、何度か自分でも竹炭パンを焼いた事があるがですが、その時には3%程度混ぜて焼よりました。今回の竹炭黒猫クッキーには竹炭パウダーは1%だそうです。作る食材にもよるのですが、あまり竹炭を入れすぎても食感がガリガリする事がありますので竹炭を少なくして、黒い色合いは黒胡麻など他の食材で補うなどしても良いようですぞね。


続・御用籠の思い出

御用籠


御用籠とは今のようにプラスチック製品が普及する前の時代には、どこの家庭や会社などにも普通に置かれちょった竹の角籠ですぞね。竹虎では野菜籠とも呼んでいますが、あまりご存じない方でもご年配の皆様でしたら自転車やバイク(スーパーカブ)の荷台などに幅の広い丈夫なゴムベルトや紐で固定して荷物入れに使っていた竹籠と言えば何となく覚えがあるのではないですろうか?四角い形は積み込みなどにも効率が良く、場所を有効に使えるという事で重宝されて荷物を運ぶ箱として、いたる所で多用されてきた竹籠の一つですぞね。


それだけに、作りは堅牢そのもの極太の力竹を縦に横に、「これでもかっ!」と言わんばかりに入れて補強されちょります。毎日の暮らしや仕事に無くてはならない必需品として活躍しちょったのです。代替え品のプラスチック製品の普及で需要が滞ると共に、今では製作される職人さんの数も本当に少なくなって一番使い勝手のよい小さいなサイズが何種類か編まれる程度になっていますが、自分の小さい頃の竹虎の工場には、子供なら十人くらい入れるような大きな角籠があって、ゴミ入れとして使われていました。


そうそう、そんな昔でなくとも大人四人がかりで四隅を持って運ぶか、ホークリフトで持たないと、とても運べないような大きさの角籠を竹職人さんの所で拝見したことがありますぜよ。竹の端材が沢山入れられた籠を一人では動かす事もできないので、竹端材が溜まるごとに燃やしているとの事やったですにゃあ。


香港の竹籠


先日、香港の市場で竹籠が沢山使われているお話しをさせてもろうたがです。表通りでは野菜など商品の陳列籠として、お店の中や道路脇では選別用の盛り籠として、そして市場裏通りにはゴミ入れとしても使われちゅう竹籠を見つけることが出来ました。このような光景が懐かしく、温かく感じるのは、まさに日本でも全く同じような竹の使われ方をされていたからですろう。


一体いつの竹材料なのか?ずっと奥には何種類もの古い竹が立てかけられていて、まるでちょっとした迷路やった。あの古老の職人さんの工房にあった巨大な竹角籠は今でもあるろうか?今でも時々思い出すがぜよ。


西武渋谷店でのトークセッション2015

西武渋谷店


それにしても先日の西武渋谷店でのトークセッションは緊張しましたちや。兎に角、東京に出張があったとしても、あまり行く機会のない渋谷は本当に人が多い街ですぜよ。人、人、人...あの駅前の忠犬ハチ公前の大きなスクランブル交差点が青になったら荷物をしっかり持って、人の波をかき分けながら必死になって対岸まで泳ぎ切るような、大袈裟に言うたらそうなりますにゃあ。そんな大都会のデパートでの企画やし、いざ時間になってステージに立つとお客様が、こじゃんと(とても)近い!


川越仁恵先生、竹虎四代目(山岸義浩),作務衣,さむえ,SAMUE,竹虎四代目


こりゃあ、メッタ(困った)と思いながらスタートしたトークセッションでしたが、取りまとめをしてくださるのがモノ作りへの知識も経験も豊富な日本経済大学の川越仁恵さんなので、そこのところは全然安心して自分は自分の言いたい事だけをお話させていただけたのです。


ジャパンクリエイティブトークセッション2015


テーマとしてあった「どうして、日本?」「どうする、日本?」竹虎の会社の事はそこそこにして、まず世界の中の日本の竹という事を皆様に認識いただきたいと言う事で世界の竹、そして日本の竹の事をお話させてもらいました。けんど、自分達にしてみたら当たり前の事であり、あまり思しくも何ともないような竹の種類や、竹の生態、竹にまつわるお話は実は意外に皆様に楽しく受け入れていただけるように感じましたぜよ。


ジャパンクリエイティブトークセッション2015


それはやはり、日本に暮らす皆様が現代の生活では竹を忘れられちゅうと言いつつも、身近に竹を見て育ち、親近感をもって頂いている証かも知れないと密かに嬉しく思っていたのです。そして、そんな竹が、筍からわずか3ヶ月で20数メートルの高さに成長する事など、今まで考えた事もない話だとしたら...。自分で言うのも変ですがこれは、なかなか面白い話では無いですろうか?ちなみに、日本最古の昔話と言われる「竹取り物語」に登場する竹から生まれたかぐや姫がスクスクと成長して成人するのも竹と同じ3ヶ月ですぞね。


竹虎四代目(山岸義浩)


竹の事は短いトークセッションの時間では、とうてい話つくせない広く深い話があります。しかし、自分達の竹の仕事を少しでも知っていただく事が日本のモノ作りを垣間見て、長く続いてきた他の手仕事の事にも何か繋がる事があればエイにゃあ。会場に来られていた方はデザインをふくめてモノ作りに関わる方が多かったと聞きますので、そんな事を期待しちょります。


ジャパンクリエイティブトークセッション2015


様々な伝統儀式に竹が多用される事もそう、常用漢字に140も竹冠の字がある事もそう、「松竹梅」でもそう、日本文化を考える時に竹は絶対に外すことができない重要な植物ぜよ。しかし、あまり竹を語る機会は今までなかったように思うがです。今回は、このような機会を作っていただき日本唯一の虎竹はじめ、竹の事をお話しさせてもらえたのは、準備やら何やらでご足労いたたきました皆様のお陰でもあります。本当に感謝したいと思うちゅうのです。


隊列で飛ぶ竹節の鳥

簾の竹節部分


存在感のある竹簾には部屋に入るとすぐに気がついたのです。この竹は中国産との事でしたが、少しくすんだ色合いの竹肌には独得の模様が浮かび面白みのある竹なので、そのまま竹表皮を活かして加工されちょります


ただ、竹節の部分は表皮を削るため竹の身部分が白く見えています。実はこの均等に削られた白く見える節部分を利用して竹を少しづつズラしてジグザク模様に見えるように加工される簾も多いのです。竹節でイナズマ模様になった簾を思い出される方もいるのではないでしょうか?


しかし、この簾の模様は、ちっくと違うようです。何かを形どるかのように一定の模様が連続して作られていると思っていましたが、どうやら鳥が羽ばたく様子を表しているようですぞね。


竹簾


ずっと後ろに下がって確認してみたら、これは凄いですちや!まるで鳥の大群が大空を羽ばたいていっているようなのです。群れは隊列を組むかのように全て同じ方角に向かい真っ直ぐに飛んでいます、少し色づいた竹表皮を上手く活かした造形に感心しますぜよ。


また、この大型の竹簾を一枚でも十分なのに二枚も並べて掛けている事にも拍手ちや。横幅のスケール感が出て迫力満点と言うたらないのです、沢山の鳥の群れが次から次へと空を行く様子に仕事の合間にふと見上げた虎竹の里の空にV字になって行く渡り鳥が、一隊、また一隊と焼坂の山の向こうへ飛んで行く光景を思い起こすがです。


メゴ笹の経年変色

メゴ笹の経年変色


昨日の竹垣や袖垣など屋外で使う竹もそうですが、家の中でも毎日のように使う竹細工の大きな魅力の一つには時間の経過と共に増してくる風合いがあると思うのです。竹製品や竹の種類にもよって、それぞれ違う趣がありますけんど竹表皮を薄く削った磨き加工された竹は比較的に色合いが変わりやすいもです。熟練の職人さんが若い頃に自分で編んで使っていた魚籠などには、飴色を通りこして赤茶けた色合いになっているものなど、新品の頃とは比べものにならいほどの風格を備えた顔つきになっちょります。


けんど、色合いの変わりやすい竹が良いかと言うと、そう言う事でもなくて白竹など、すぐには色合いが変わってこない竹だとしても、十年、二十年愛用する中でじわじわと飴色になってくるものは、やはり時間をかけないと醸し出されないその竹独特の色合いと雰囲気があって素晴らしいものながです。


メゴ笹籠


そういう意味ではメゴ笹洗濯籠なども色合いの変わり方は、青々とした竹を編み込みますので、その色合いでいるのはほんの一時、数日経ってお客様のお手元に届く頃にはその色合いが抜けているほどです。それから徐々に色合いが落ち着き、枯れた風合いになってきて一年、また一年と愛用していきますが、なんの変化もみられないと思うほど、ゆるやかな変化ではあります。


けんど、それが数十年大事に使い続けよりましたら、こんな色合いになってくるとは、信じられますろうか?実際に長く使い込まれた古いメゴ笹を見せて頂くと編み方や形も似ているのでパッと見ただけだと、シダ編み籠かと思うほどですぞね...。


おっとシダ編みと言うても、もしかしたら、シダの製品をご存じない方もおられるかも知れません。この話しは又違う機会にお話しさせてもらいたいと思うがです。


虎竹袖垣のある玄関

 
虎竹玉袖垣


竹垣と言えば、若い方の中にも何となくイメージできると言われる方がいそうな気がするのです。ブロック塀や門等と同じように家の外構部分にあるものですので竹で組んだ垣根などは、それとなく見た事があると思います。


細かく言うと竹垣にも、植栽された生きた竹をそのまま活かして目隠しのように使う場合と、竹を加工して垣根として作りあげるものとに大別されると思います。竹は一年を通して葉が青々と茂り、気持ちのよいものですので生け垣もエイし、職人が加工する竹垣なら色々な竹素材を用いて簡単な四ツ目垣から建仁寺垣や御簾垣、大津垣、鉄砲垣、網代垣など名前を挙げていたら何種類もありますけんど竹穂を使った穂垣や松明垣など個性的なものまで色々とバリエーションを楽しめてエイのです。


最近では自然素材そっくりに塩化ビニールで作られた人工竹があって、遠目には区別がつかないほど、そっくりで驚きますが耐久性が高いのは良い事がも知れないものの、いつまでも綺麗過ぎるので自分は全く好きになれないがです。


古い虎竹袖垣


竹垣は何とか分かるという方も、今度は袖垣となると一体何なのか?どうやって使うのか?竹垣と、どこが違うのか?とお分かりになられない方が多くなってきますぞね。袖垣とは玄関脇など建物の脇にしつらえて目隠しとしての機能を持たせた小さな竹垣とでも言うたら良いろうか。


和風のご自宅が少なくなって袖垣を使われるご家庭は本当に減ってしまっていますが、このような袖垣が一つあると、庭周りが引き締まり何とも言えない良い風情となるがですぜよ。どうしても和風建築でないと似合わないかと言うと実はそうでもなくコンクリートや新建材などのお宅でも使われているのを拝見しますが、なかなか格好のエイものですし庭の緑と、こじゃんとマッチするのがやっぱり天然素材やにゃあと笑顔になる所ながです。


屋外で使う竹垣や袖垣は、新しいものは当然気持ちが良いのですが、古くなる経年変化そのものを楽しむものですぞね。この袖垣は、おそらく20数年お使いいただいたのではないかと思いますが、すっかり色が枯れ、所々に苔をむすようになってきた竹もなかなかエイものです、こう言う長い時間を感じさせる袖垣は大好きぞね。


硬さと柔らかさと

竹籠


竹を手にする度に、人のお手本となる事を思うがです。竹林に天を目指すかのように凛として立つ竹の姿は美しく、あのような真っ直ぐな心でといつも思いますし、地下茎で、それぞれの竹達が繋がり助け合う姿も人の営みになくてはならない大切な事そのままと思います。


そして、あまり見慣れない少し高さのある竹籠に出会うても仕事の丁寧さや、しっかりした作りと経年変色の渋さに唸りながら不思議な心持ちになってくるのは、これが、すべて竹で作られた細工であるというごくごく普通ので、当たり前の事なのです。あの硬く真っ直ぐな竹を細く、細く竹籤にすれば柔らかく、しなやかな性質になり、前の形からは考えもできなかった柔軟性でもって丸みを帯びた曲線を形づくる事ができますぞね。一方、竹を厚みがある形でそのまま使えばこの高足籠のように、少しくらいの重さではへばる事のないしっかりとした硬質の素材として利用できるがです。


柔らかいだけでもイカン、硬いだけでもダメ。柔軟さと、硬い部分と両面をバランスよく兼ね備えよ。竹が、そう人に教えてくれているように思えてくる竹籠。つくづく竹は凄いぜよ。


篠竹細工の干しざる

篠竹干しざる


最近自分が注目している商品の一つに篠竹を使った干しざるがあるのです。篠竹は、とにかく強く、そして粘りのある素材ですので、昔から各地で竹細工の素材として多用されてきた竹ですぞね。そう言えば数年前の事になりますが、東京で篠竹を使った細工をされていた草薙さんという職人さんの所にお伺いする機会があったのです。


東京で竹細工...?大都会で誰かやっている人がいるのですか?聞いても、あまりピンと来ない方が多いかも知れませんが、かって江戸川沿いには護岸のために篠竹が沢山植えられちょって、その竹を使う竹細工が発展し多くの竹職人さんがおられたのです。「篠崎」という地名が、この辺りに篠竹が多かったことを今に伝えているのではないかと思いますぞね。竹職人の草薙さんは自分の編まれた竹籠を逆さまにすると、事もあろうか、その上にご自身がのって見せてくれました。「どうだ!」と言わんばかりの表情に自分達の技への誇りを強く感じた事を思い出しますぜよ。


当然、職人さんの技術もさる事ながらなのですが、それも篠竹の強靱な竹の性質というものがあってこそなのです。今度の篠竹も、当然、堅牢な竹編みには違いありません。あの時に拝見した数種類の竹細工の中に、この篠竹干しざるに、良く似た形の笊もありましたが、底編みの足部分の四隅の角が立ち上がりが更に鋭い気がします。この立ち上がりのため通気性の良さは抜群ながです。


篠竹細工職人


普通の竹は3年竹や4年竹を使うのですが、篠竹はその年に生えた竹を伐採して保管されちょりました。倉庫には一体竹笊が何枚できるのか自分には想像もできないほどの材料が積み込まれ乾燥させられています。


その竹を少しづつ出してきては割って竹籤にとって編み込みを続けられる寡黙な職人さん。手も足も使うて手際よく進む工程は拝見していても小気味良く、電話の音に我にかえらないと、そのまま魅入ってしまいそうな程やったぞね。


篠竹細工道具


ずっと愛用されてきた刃物とハサミ、ドライバー。これだけの道具で生みだれてていく篠竹干しざる。昔ながらの素朴な笊は少し小振りなのですが、食器の水切り籠としてもお使いいただけますし、水洗いした野菜などにも愛用できてキッチンにあれば、必ず重宝する一枚ながです。


篠竹干しざる


ありゃあ!?この竹工房には火星人がいますぜよ!?底編みされた篠竹干しざるを逆さにして数個置かれちょりました。何か見た事があるにゃあ?と思ったら、小さい頃に読んでいた漫画や雑誌にはタコのように足の長い火星人が描かれたちょりましたけんど、それに、そっくりやちや...。しばし童心に帰ったのです。


タイガー・タケトラIN香港

竹虎四代目


「あんな思わせぶりな事を書いておいて...」「結局、あの男は帰ってきたのですか?帰ってないのですか?」そんな語気を強めた感じのメッセージが届いたがです。これには、事の成り行きからお話しせねばなりませんが、一体どういう事かと言いますと実は、色々な用が出来て急に香港に行く事になったのです。香港と言うたら、やはり自分世代にはブルース・リーなのです。ちょうど、週末を利用して行きますので今月18日は日曜日、あの男...、そうタイガー・タケトラが帰ってくるもか?


そこで、「あの男が帰ってくる。(那個男人返回)」と、これで正しいのか、どうか分かりませんが翻訳ソフトで中国語を訳して、まっこと気軽な気持ちで書いちょったのです。そして、前にある企画のために作っていた動画の日付を変更してウェブサイトにアップしていました。



さあ皆さん、ご安心ください?!何とか早朝に時間を作って海辺までひとっ走り、タイガー・タケトラの撮影に行ってきましたぜよ。やはり、香港といえば海を隔てた香港島に見える高層ビル群ですろう。自分は香港島側のホテルに泊まっちょりましたので、そのポイントを探し求めてフェリーで海を渡りパチリとやりましたぞね。


こじゃんと(とても)天気も良くて、朝の清々しい海風の吹く中、まっこと、くつろいだちや...。ホッと胸をなで下ろしましたぜよ。まあ、一応も皆様に予告しておいた事なので、こうして、お約束通りに写真を撮ることができて安心しきっていたのです。


ところが...!!!です。


あんな作務衣で海の前に立ったぐらいでタイガーかえ?
(そう、ストレートに言われていはません)


予告ではブルース・リーおなじみのトラックスーツやったのに?
(そう、ストレートに言われていはません)


何だか拍子抜けした感じですけれど?
(そう、ストレートに言われていはません)


そのような、心ない方からのお声を頂戴いたしました。しかし、そう言われる皆さんに一言申上げたいのです。それでは、皆さんは香港に行く時に荷物をあれこれ入れるトランクの中にトラックスーツを入れていくのですか?トラックシューズもですか?さらに、言うと日本唯一の虎竹ヌンチャクも持っていけと言うのでしょうか?


良識ある大人が、もし仮に税関で呼び止められて荷物を開けることになったら一体、どうすればエイのでしょう。「この黄色い服と靴はなんですか?」あの黄色い色は目立ちますぞね、そう問い詰められたら、どう答えたらエイのでしょうか?空港中の注目を集めてしまうのではないですろうか?


もっと悪い事があります。日本唯一の虎竹ヌンチャクは、立派な武器です!これは当局が黙っていないのではないでしょうか?そんな事をあれこれ考えていたら、とても出張どころではなくなります。


香港の夕暮れ


香港は100万ドルの夜景とも言われちょりますぜよ。自分のような外国とは縁遠い者にも東洋の真珠として聞こえた場所、世界中の方が憧れ、心躍らせる美しい大都会を、まさかトラックスーツで歩けとでいも言うのでしょうか?


なので、本当に申し訳ございません。今回は遊びに来たワケでもなし、とても、そこまで出来ません。あんな思わせぶりな予告をしちょりましたが自分が悪うございました、スミマセン。


そう、皆様に正直に謝ろうとも思いましたが...


思いましたが、


思いましたが、


せっかくなので、やりました!!!


タイガー・タケトラIN香港


トラックスーツは動きやすいのです。しかし、どうして竹虎四代目がトラックスーツなのか...?当然、ブルース・リーの子供心に観て衝撃を受け目に焼き付いたということはあるのですが、トラックスーツは格別なのです。実は、その理由とは...!?


トラックスーツ=虎ックスーツ


だからなのです!!!お分かりいただけましたですろうか。黄色に黒のラインというのも、まさに「虎」虎ックスーツは、いわば竹虎四代目の第二のユニフォームぜよ。


タイガー・タケトラIN香港


ちなみに、普通にホテルに居る時にはコレ(ホントか?)部屋にハウスキーパーの方が来られたら


「掃除してチョー、してチョー、アチョー!」


言うてます。


タイガー・タケトラIN香港


ロビーでの待ち合わせでも作務衣よりも分かりやすいと地元香港の方にも大好評ぞね。朝のジョギングや、夕食後の散歩にも最適。ドアボーイの方にも、速攻で覚えていただけるのです。まあ、それはさておき、撮影のお話しに戻りますと一つのポーズだけで良いと思いよりましたが写真撮りしてくれているうちに、もう少し撮りたくなって、ついつい撮ってもらいました。


タイガー・タケトラ日本唯一の虎竹ヌンチャクIN香港


どこからともなく取りだした日本唯一虎竹ヌンチャク。実は、旅のお供にいつも携帯しちゅうのです。そりゃあ、そうですろう、男は一歩家から出たら七人の敵がいると教わっています。(確か、ことわざにもあるような)特に自分のような田舎者は右も左も分かりませんので、どこで、誰に襲われるか分からんではないですかっ!?


タイガー・タケトラ IN Hong Kong


地元の方と二人でも撮りました。


タイガー・タケトラ IN Hong Kong


フッと遠い、虎竹の里の事を思い出す瞬間もありました。


タイガー・タケトラ日本唯一の虎竹ヌンチャクIN香港


週末でもあり、素晴らしいお天気に恵まれてましたので、大勢の観光の方がおられました。トラックスーツは目立ちます、何事が始まったのか?次々人が集まりだして、言葉は分かりませんけんど応援してくれゆうみたいです。スマホやカメラを手に写真を撮りよります、自分の撮影にお付き合いいただくカメラマンを見てよいのか?周りの観光客の皆様のカメラを見たらよいのか?まっこと迷うくらいやったですが、海外の方ばかりだったようですので、このブログをご購読の方は(まさかいないかと思いますが)もし、誰かおられしまたら、この時の画像をいただきたいくらいです。


タイガー・タケトラ IN Hong Kong


実は、この時の撮影を快く引き受けてくれた方はマサさんと言います。今回の香港出張でお会いしたい方のお一人でもありますが、どうも撮り方やアングルが普通ではありません。上手ながです、そこで聞いてみたら何と元テレビ局のカメラマンなのです。なるほど、それでか...、ホテルのロビーにトラックスーツで登場しても通訳の方は目に動揺がありましたけんどマサさんは、まったく平然としちょりました。


さて、しかし、そんな元カメラマンのマサさんの職人魂に火がついたのか?更に、もっと撮ろうと言うのです。日本に帰ってきてから人に言われて気づきましたが、この最初の撮影場所の恐らく近くだと思いますがブルース・リーの銅像が立っている所があるようでした。ところがマサさんが行こうと言う場所は香港文化博物館ちや、観光客の多い所では元プロのカメラマン魂が許さない。後から考えると、そういう事やったのかも知れませんぞね。


竹虎四代目、香港文化博物館


香港文化博物館でブルース・リー展が開催されていると聞き行ってみると、大きな銅像がお出迎えしてくれちょりましたので早速、そこでも撮影開始ですぜよ。


竹虎四代目、香港文化博物館


日本唯一の虎竹ヌンチャクも出ます。


タイガー・タケトラキック


タイガー・タケトラキックも出ます。


ブルース・リーと竹虎四代目


おっと、しかし、撮影できるのはここまで、これから中はブルース・リーの展示品がいろいろ置かれていてシリーズ第一弾から楽しみにして観た世代には懐かしくも、たまらない一時を過ごすことができるがです。


タイガー・タケトラ IN 香港


トラックスーツが虎ックスーツだと言うお話しは確か前にも、この30年ブログでした事があったように覚えちょります。虎竹の里において、作務衣が第一のユニフォームであり虎ックスーツは第二のユニフォームだという事をこれで皆様にお分かりいただけたのではないかと思うです。(だから、どうした。ですが...)


タイガー・タケトラ IN 高知龍馬空港


さて、今回はあまりに虎ックスーツの着心地がよく高知龍馬空港まで、このまま帰ってきてしもうたくらいぜよ。(しかも、首からは日本唯一の虎竹ヌンチャク)


タイガー・タケトラ IN 高知龍馬空港


おっと、ヌンチャクは危険物扱いだと思います。機内持ち込みはダメですぞね。


竹と香港生鮮市場

香港生鮮市場の竹籠


香港の市場では竹籠が一杯ですぞね。もちろん、竹の足場に鉄材のような新しいものかあるように野菜や魚など入れて保管したり、運ぶための籠としてはプラスチック製の物、金属製の物も多いがです。けんど、それでも「竹」がこれだけ多いのは、どうしてですろうか?


Hong Kong店頭の竹籠


店先に吊してある竹籠は日本でも見かける事はありますぞね。自分の小さい頃には近くのお店でも吊られた籠に、お釣りやら、伝票のような紙類やら店の人は何でも入れてました。とにかく忙しい店頭では、無くてはならない道具やったのです。


Hong Kong bamboo basket


路面に出した店頭で販売される野菜や果物を入れる籠として竹編みの籠が多く使われているのが目につきます。段ボールや他の容器に比べて竹籠に入れられた野菜は美味しそうやにゃあ。見た目が全く違うので、当然お客様からすると竹籠に入られた野菜に、ついつい手が伸びる事があるかも知れません。


Hong Kong bamboo basket竹籠


この市場は路面店だけでなくて、建物の中に入ると一階、二階部分が同じように肉屋さんや八百屋さんが軒を連ねる市場になっていて、その店頭の奥の方や、裏の通路あたりでは届けられた野菜を水洗いしたり、切って選り分けたりしています。そこは普通はあまりお客様の目には触れる場所ではないと思いますが、実は、こんな現場でこそ使われているのが竹籠やったのです。


Hong Kong bamboo basket


数人の女性の方が店の脇でモヤシでしょうか?野菜を洗いよりました。「写真撮ってエイですか?」訪ねると、重なっていた竹籠を除けて撮影しやすくしてくれましたぜよ。なるほど、ここでは野菜の水切りとして竹籠を使いよります。晴れ渡った朝の気持ちのよい空気の漂う中で、キビキビと働く皆様と一緒で竹籠も何やら張りきっているように見えるのです。


自転車に積んだ竹籠


「シャーーーーー」ふと見ると自転車が前と後ろに竹籠を乗せて走っていきます。おおっ!格好がエイが違うぜよ。日本でも、竹籠が自転車やバイクには必ず付いていた時代がありますちや。太い骨太のフレームの自転車の荷台に決まって取り付けられていたのは御用籠などと呼ばれちょった四角い形をした竹籠。力竹が何本も入った、こじゃんと(とても)丈夫な作りで荷物を沢山積んで、ちょうど同じように走っていたのです。


香港の御用籠


そんな事を思い出しながら歩いていくと何と、その先に!御用籠と同じような形の竹籠を発見しましたぞね。竹表皮部分を利用して編まれた籠と違い、竹の身部分を多用しいる籠は強さという面では劣りますので、これからの籠はもしかしたら掃除用かも知れませんにゃあ。自分の若かった頃までは竹虎の工場でも、端材などのゴミ箱として例外なく全部このような竹編みの籠が使われちょったのです。


香港市場の竹籠


日本の場合には急速に消えていった竹籠たちですけんど、香港では、まだまだこのような市場で現役で使われちょります。プラスチック製のもの普及している一方で消えずに残っているのは、やはり、使いやすさ、耐久性、機能性に優れているからですろう。


けんど、たとえばプラスチックよりも強いと言うと「えっ?」と疑問に思われる方も少なくないのかも知れません。ところが、市場での竹籠達の使い方をご覧いただくと、なるほどと納得されるのではないでしょうか。どのような使い方をしているのかと言うと籠に一杯入った野菜類を手かぎで引っ掛けて引きずって運んで行くのです。


Hong Kong bamboo basket


このように、引っ掛ける、引きずるなど手荒に扱う場合には竹の柔軟性、しなやかさが活きてくるがです。竹そのものの素材としての強靱さ、耐久性という特性がありますが、その素材を編み込む事により、竹籠はショックを上手く吸収し、分散させ逃がします。これがプラスチックの容器だと衝撃で破損しかねないのです。また、水を使う事の多い市場内は湿気の多い環境です。そのまま置いておくにしても通気性もよく、軽く扱いやすい竹が昔から今現在までずっと愛用されている理由は、まさに、ここにあるのです。


市場路地裏の竹かご


市場の路地裏には、こうやって仕事を終えた竹達が重なってひと休み。パッと見には粗雑な荒くれ者のようにも見える籠ですが、いざ力仕事となったら頼りがいのある市場に無くてはならないタフガイ達。やっぱり人の役に立っちゅう竹は生き生きして素晴らしいぜよ。


竹と香港

竹虎四代目,作務衣,さむえ,SAMUE,竹虎四代目


香港のビルは、街は竹で作られると昨日はお話しましたけんど20数年前、いやいや、かれこれもう30年近く前の事ですが、一度寄せていただく機会があったのです。その時に建ち並ぶ高層ビルの足場が竹なのに目が回るほど驚いて、これは、どうしてももう一度見たいと思って、その翌年に、もう一度来てみました。やはり足元からテッペンまで竹だけで組まれちょった。その時は、ただ、ただ驚愕するのみでありましたが...。


ホンコン竹足場


今回、久しぶりに来てみて実は一抹の不安のような思いもあったのです。それは、これだけ近代化も進んでいるはず、あの時から言えば新素材や便利な道具、あるいは新しい工法など色々と登場してきている事は当然の事です。だから、あれだけ竹の足場を使っていた香港であったとしても、もしかしたら、日本人の暮らしから竹がアッという間に姿を消したように竹の足場が必要なくなっていたり、少なくなっていたり、そんな寂しい事になっているのではないやろうか?


確かに、到着したホテルの目の前の大きなビルには竹の足場がビッシリと組まれていて、あの時と何ら変わらない「竹と香港」とがあって嬉しかったがです。しかし、他の所も本当にそうやろうか?


香港ビルの竹足場


そんな不安は、まったく必要なかったがぜよ。角を曲がって、ものの数分も歩けば、そこに竹組のビル。その先の見上げるような高いマンションとおぼしき建物にも外壁部分には足場用として竹がビッシリと組上げられています。


香港ビルの竹足場


これは別に特別な事でも何でもなくて香港中のビルというビルは全て竹。もともと土地の狭い街なので高さの低いビルというものは無く、小さな建物であっても、ヒョロヒョロと細く長くまるモヤシのように建っているのが面白いがです。


Hong Kong bamboo


昨日も道路脇に竹が積まれている所にでくわしましたが、二階建てバスが走り抜けるような大通りにさえ、こうやって足場用の竹が積まれちゅうではないですか!?しかも、この積み方は虎竹の里で虎竹を積み込むやり方と全く同じ方法で積み込まれているので嬉しくなりますぜよ。竹の仕事など手仕事を突き詰めていくと結局、どこの国でも同じような技法になることが、こんな単純な仕事ひとつとっても分かるものながです。


Hong Kong 鉄骨足場


もちろん、これだけ近代的で美しいビルが建ち並ぶ香港ですので日本の建築現場で見かけるような鉄材も当然使われる事もありますろう。実際、街中でこうして置かれている鉄骨材もありました。しかし、足が疲れるほど歩いて見て回った足場は全て竹製でしたぜよ、まっこと香港の竹は働きものやと言うことです。


Hong Kong bamboo


さて、そんな竹に覆われたビル群ばかり見て歩いていましたので首が痛くなりそうですちや、そこで目を下に下げると、そこには活気のある市場が広がる地域があって沢山の買い物客で賑わいよりました。


香港市場


肉屋さん、八百屋さん、魚屋さん、花屋さん、果物屋さん、雑貨屋さん。湿度が高く、まだまだ暑い香港です。上半身裸にエプロン姿の職人さんたちが働く専門のお店は魅力的で、ただ見て回るだけで楽しいものです。そして、ここにはビルで働く竹と、また違う顔をした竹が活躍しよりました。


香港のビルは竹で作られる?

香港高層ビルの竹足場


香港の建築現場の足場には竹を使うというのは有名な話なので、きっと多くの方がご存知かも知れませんが初めて聞かれる方だと、建築に竹を使うといってもたかが、竹だろう?だったら2階建てか、3階建てくらいの民家やビルの修繕か何かのめたに簡易に足場を組むのだろう...。もしかしたら、そんな風に高をくくっておられちょったら、それは、ちっくと大間違いですぜよ!


20数年前に来た香港では、天を見上げるような数十階建ての高層ビルを一面竹の足場で多い尽くして、その足場では、まるで米粒のように小さく見える建設作業員の方々が仕事をされていたのを思い出すがです。


今回は、そのような首が痛くなるほどの高層ビルではないにせよ数えてみたら25階以上はありそうな大きなビルの足場に、やっぱり、しっかりと竹が使われちゅうがです。それにしても斜めに突きだした無数の竹が要塞のように見えますにゃあ。


香港の竹足場の紐


こんな高いビルの足場を支えちゅうのは全て竹ですが、それぞれの竹は、触ってみると丈夫ではありますものの決して太いとは言えないナイロン製の紐で縛られているだけ。命を預ける高層ビルの足場に、こんな簡単で良いのか?と心配になってくるほどですが全てのジョイント部分は、このような設えになっちゅうようです。


香港の竹足場の竹


香港は土地が狭いため高いビル通りにズラリと並んで建てられちょります。そのため外壁の補修工事を必ず街中のどこかでされている状態だと聞きます。竹の足場は一年中あちらこちらに設置されたり、取り除かれたりを毎日のように繰り返しているというワケですぞね。なので、こうやって道路脇に竹材が積まれているのは日常の光景ながぜよ。


香港の竹足場


ビルの外壁の足場だけではなくて、歩道の保護用としても使われちゅうのは全て竹材。近代的な美しい建物や町並みとは対照的にも思える、このアンバランスさが、この町の魅力のひとつかも言えるのですろうか。


しかし、大量の竹材の生産地が近くにある事を考えても、これだけ新しい素材や、丈夫な建築資材が沢山ある時代に今でも、こうして竹の活躍の場が有り続けているのは、どうしてやろうか?鉄の足場などは竹とは耐久性は比べものにはならず何度も繰り返して使えるのでコストという事ではないような気がしちょります。軽さ、しなやかさ、強さという竹ならではの機能性が香港の建築現場の皆さんに支持され続けている証ではないろうか。


扱いやすく、信頼されているからこその竹材と思う時、目の前にあるビルをはじめ街中のあちらこちらに使われている竹は又違うて見えてくるがです。


美しく、力強く咲いた底編みの花

竹籠底編み


休みになったら満開のコスモス畑に行く方が多いようですけんど、竹虎で満開になっちゅう花も、こじゃんと(とても)綺麗ですぜよ。この竹職人さんの使う竹は淡竹(はちく)と孟宗竹が中心です。主に竹細工に使われ竹は真竹が多いと思いますけんど、日本には各地に竹があって、昔から身近で加工しやすい素材として重宝されきた伝統がありますので、地域によって色々な違いがあり、いやいや、そうかと思うたら技術交流でもしたかのような同じ技が残っていたりして、この辺りが竹の面白い所ですにゃあ。


竹籠底編み


それにしても美しい、そして素晴らしく力強い底編みです。磨きと言われる竹表皮を薄く薄く剥いだ極幅広の竹を何枚も重ねて耐久性という機能を求めて細工した技が、ハッと気づいたら、こんなに綺麗で見事な造形となっているのです。磨きの竹は更に時間の経過と共に飴色のような色合いが深まり見事としか言いようのない竹に成長していきます。


竹籠底編み


もう一つ、横にある底編みも凄いですちや。この土間に並べられた真新しい竹細工達は全て農作業など毎日の仕事に使われる籠達なのです。カンカン照りの日もあれば、小雨の降る日もありますろう。そんな中で、土に汚れながら重たい荷物を運ぶ強者達でもあります。


だから、やはり一番に求められるのは強さ、逞しさなのです。親から子へと伝えながら、長い時間をかけて現場のタフな条件で鍛われ続けてきた本物の竹籠ですから、ご覧になるのが初めての方にでも、その迫力は伝わるのではないかと思いよります。まっこと、もしかしたら口があんぐりになられる、そんな方がおられる様子が目に浮かぶようながです。


虎竹ミニ弁当箱

虎竹ミニ弁当箱


今のお弁当箱に少しだけプラスしてお昼を更に楽しく待ちどおしい時間にされたい方はおりませんろうか?そんな方のために虎竹で網代編みした小さな弁当箱ができましたぞね。おかずを一品多く入れてもエイですし、スイーツや果物を用意して食後のデザート用としてもエイがです。


このような小さな細工は通常の大きさものものよりも実は製作が大変で手間もかかります。もしも、今このブログをご購読の皆様の中に是非使ってみたいと思われる方がおられましたら、絶対にすぐにお求め頂く事をオススメしますぞね。この虎竹網代ミニ弁当箱も一度売り切れたなら次はなかなか出来上がらない竹細工の一つですちや。


虎竹ミニ弁当箱


虎竹と言うても色合いは自然任せ、祖父の作った昔のパンレットにも天然の意匠と書かれちゅうとおり色つきは様々なのです。黒いものもあれば、色合いの薄いものもある。職人さんは、そんな虎竹の中から黒っぽい竹ヒゴばかり集めちょって編み込みました。そしたら、この通り同じ虎竹でも使う虎竹によってこれだけの色合い違いが出てくるのです。


また、同じサイズに作ってはいるのですが、今回のように難度が高く、また新しく編み始めたばかりの籠は、これほど極端ではないにせよ加減で大きさに微妙な違いがあったりしますけんど、小さいと言えでも編み込みや作りは同じ角の籐編みもキッチリ丁寧にされちょります。日本唯一の虎竹を使った、このサイズの可愛さです。きっとランチタイムを華やかにしてくれる事は間違いないですろう。


ジャパンクリエイティブトークセッション2015

ジャパンクリエイティブトークセッション2015


先月に少しご紹介させて頂いた事があるのですが、今月10月22日から11月2日までの期間で、ジャパンクリエイティブトークセッション2015が開催されるのです。そこで自分も何故かトークセッションに参加させて頂く事になっちょります。


その小冊子というても、気軽に配れるようなものではないほどの素晴らしく立派な一冊の本とチラシが突然届きましたぜよ。「どうして、日本?」「どうする、日本?」このタイトルは、さすがですにゃあ。まっこと良く考えられていて、モノ作りに関わる方なら常日頃感じることでもあり、今回のトークセッションの中心でもある事を鋭く、短くそのまま言い表しているのではないかと思いよります。


竹虎四代目


会場は西武渋谷店、自分の出番は10/24(土)午後4時からですが、こんな田舎の小さな竹屋がお話しさせてもらう意味あいは何ですろうか?危機感やろうか?モノ作りにも色々ありますけんど、自分達が毎日関わりよりますモノ作り、手作りは普通の皆様が思うよりもずっと早くなくなっていき、一度無くなったものを復活されるのは、こじゃんと(とても)大変ながぜよ。


実は自分も何度か挑戦したことがあり今も挑戦中でもあるがですが、まっこと自分が好きで、自分が見てみたい、触りたい、使いたい、そんな思いがないと、とても出来ることではないがです。ただ、ただ、そこに尽きますぞね。


川越仁恵さん


モデレーターという言葉さえ、あまり聞き慣れませんが、司会をしてくださる方の事のようですが、元東京都美術館学芸員、日本経済大学教員の川越仁恵さんがご担当くださいます。この方は伝統工芸産業研究者という肩書きを持たれちょりまして、今まで様々な商品開発、ブランディングに関わってこられていて、ご自身の企画立案を手がけられたTokyo Crafts & Designでは何と凄いです。2013年度のグッドデザイン賞を受賞されちゅうらしいがです。


学校では勉強したことがないですし、このような立派な方と同席させて頂くなど今から考えただけで緊張しますにゃあ。


どうして日本、どうする日本


日本ならではのモノ作りを考えることは楽しい事ですちや。どうして日本で発展してきたのか辿って行く事は自分達の先人の暮らしを思う事ですし、それは、とりもなおさず自分達自身の事を深く知る事になると思います。


今の作り手の現状、そして未来へと繋がる日本のモノ作り。最近は、作り手と使い手の関係を考える事が多いがです。自分達の竹は泥臭く、生活にもっともっと近いもの。東京のど真ん中で、話すような事ではないようでもあり、だからこそ、お話しするべき事なのかと思ったりもしちょります。


竹のヘルメット

竹ヘルメット


日本唯一の虎竹自動車プロジェクトで竹の自動車を創らせていただく事になりましたので、色々と考えよりましたけんど、電気自動車ということもあって普通の車に比べると、スピードは控えめになっていますが、それでも公道を堂々と走ることには変わりありません。安全面も、しっかりと考慮して製作せんとイカンがぜよ。


ヘルメットをかぶることも考えたらエイにゃあと思いよりましたが、皆様が知っている、どこにでもあるヘルメットでは面白くない...。竹の自動車ですので、竹のヘルメット...そう考えたら以前、拝見したことのある竹のヘルメットを思いだしたのです。しかし、そのヘルメットは車やバイクの運転用ではなくて、ずっと昔の陸軍の兵隊さん用のものだったのです。高温で湿度も高い南の島での着用に竹の清涼感を活かしたものということで作られていたそうですぞね。


確かに竹の肌触りの良さや通気性抜群の編み込みは風を通し、熱や湿気を逃がして快適だったかも知れません。けんど、強度はどうですろうか?鉄不足のために割竹をそのものを何枚も組み合わせて作った竹製ヘルメットというのは歴史資料館で拝見したことがありますが、この竹編みのヘルメットは鉄製ヘルメットの内側に使ったりしたものでしょうか?いずれにせよ、強度よりは涼しさ、快適さを考えたもののようです。


近年では竹集成材という細い竹を張り合わせて強度をだす技術もあって、あのトヨタの最高級車種レクサスのハンドルにも竹集成材を使用したハンドルがありますぜよ。そして、その竹のハンドルは高知県産の竹材が使われちょります。自動車の各部品も人命に関わるものですので高い品質が求められると聞いた事がありますが、ハンドルという特に重要な部分に竹が使われちゅう事は、何やら竹を認めて頂いちゅうようで、自分達が関わっているワケではありませんが喜ばしい事ですちや。


日本唯一の虎竹自動車にも竹集成材を使うことにより竹自動車自体も、そして周辺の部材についてもアイデアがグッと広がる気がしちょりますぜよ。


ストレートネック対策の竹首枕

ストレートネック対策の竹首枕


ストレートネックという言葉を耳にされる機会が増えたのは、一つはパソコンやスマートフォンなどの普及が進んだせいとも言われています。首の骨は少し前に向かって曲がっているのが本来なのですが、パソコンをのぞき込むような姿勢が原因となって骨が真っ直ぐになり、頭痛や肩こりなどの症状を引き起こすようながです。


パソコンは室内だけですが、スマホなどは若い方を中心に一日中、どこでも常に手にしているような光景を見かける事もあります。もちろん便利な物でもあり、今や必需品となっちょりますので、そんなストレートネックの方は学生のさんの中にも多いようなのです。そこで、そんな皆様の改善に使うていただこうと竹虎がオススメしているのが竹首枕ぜよ。このような硬い枕、つまり硬枕(こうちん)は新しいものではなく、昔の枕はこのような竹製や木製でありましたが、丸い竹の自然なカーブが首の矯正にお役に立てるのやったら、まっこと嬉しいと思いゆうがですが、くーちゃん様というお客様から嬉しいお便りを頂いちょります。


この枕は骨格を矯正してくれるんだな~、と納得です。一晩寝てみて、朝目が覚めると、いつもの首や肩のこりが全くない!! とびっくり。これまで時々整体に行ってましたので、約1ヶ月使用した頃、また整体に行ってみました。ところが、施術中、いつもの気持ちいい~が感じられないのです。これは、竹枕で寝ることで整体の施術の効果を得ているからだと思いました。竹枕に出会えた私は幸せ。竹虎さん、ありがとう。


竹首枕には、こんな感激するようなお声を頂戴しますけんど、素材の竹は日本唯一の虎竹を使うのではなく、どこの里山にも見ることのできる孟宗竹から太さや形を厳選してから材料にして製造されちゅうのです。


高知新聞「ミリカ」


高知新聞には毎週一回「ミリカ」という、カラーの印刷されたフリーペーパーが入れられてきますぞね。これが地元の面白くためになる情報が満載されていますので、楽しみにされちゅう方も、かなり多いと思います。


竹ワインクーラー


実は前回のこの「ミリカ」には、竹虎のワインクーラーを掲載いただいたがです。ワインクーラーも竹首枕と同様に孟宗竹を使います。孟宗竹は、ずっと日本人の暮らしを支えてきた身近で親しみのある竹。ところが現代では用途がなくなり、忘れられつつあるだけではなく、里山の荒廃の原因のように言われ、まるで悪者扱いされている竹でもあるがです。


首枕にしてもワインクーラーにしても、せっかく近くに豊富にあるこの孟宗竹を活かしたい、昔のように、多くの方に喜んでもらえる竹に復活させたい、そんな共通の思いもあるがです。


スバル社内報「秀峰」2015

スバル社内報「秀峰」


スバルの車が最近ずっと気になっちょりました。自分がステーションワゴンをずっと乗っているという事もあり、やはり違う自動車メーカーさんの車にも、それとなしに目がいくものですが、特にスバルにはレガシィ(LEGACY )というステーションワゴンの名車があるがです。どのメーカーさんの車も年々進化をしてゆくものですが、特にレガシィは、それが顕著であるように思っていたのです。


そのように感じてしますのには、あの感動CMが原因のひとつにあるかも知れませんぞね。短い時間の中に琴線に触れるような人間模様の物語があって、ついホロリとなってしまうスバルのコマーシャルはご存じですろうか?ご存じなければ是非インターネットで「スバル 感動CM」と検索すれば出て来ますのでご覧ください。


いやいや、自分も皆様に紹介するのに確認のため検索してみたら、つい又観たくなって実はさっきまで数本観てしまい、涙でボロボロですぞね、随分鼻水もでてティッシュが空になりました。「あなたと車、どんな物語がありますか?」まっことスバルの車が買いたくなってくるのです。


けんど、だからそんなCMを作っている会社様の社内報「秀峰」に竹虎の商品を掲載したいとお話しを頂いた時には、それは、それは嬉しかったがですぞね。さすがに大企業になると会社内に発行する冊子も充実しちょって、それぞれの部署の事や会社のニュースなどの他に「気になりませんか、よその企業」というコーナーがあり、今月はハンドメイドの巻きやったのです。そこに名人作虎竹耳かきをご紹介いただいたのです。


「気になりませんか、よその企業」これは、本当に自分の台詞ですぜよ。ずっとスバルのコマーシャルが気になって、一体、どんな人があんな素晴らしい発想をするのか気になってました。そして、その傍らに、いつもさりげなくあるスバルの車。もしかしたら、竹虎の商品も全国の色々な人間模様の中に溶け込んであるのかにゃあ?嬉しいシーンに、ひとつでも多く登場する竹虎でありたいなあ。そう思いゆうがです。


雑誌「料理通信」掲載のスズ竹四ツ目籠

雑誌「料理通信」


先日、こじゃんと美味しそうな料理が賑やかに並んだ雑誌に掲載いただいたがです。その名も「料理通信」。これは主にシェフの方など料理関係の方がご購読されたり、食に関心のある方がお店や料理を楽しくご覧になられる、ちっくと専門性の高い雑誌やったのですが、嬉しい事に、この本の中にスズ竹四ツ目籠(大)を大きく掲載いただいたがです。


まっこと竹虎は有り難いことに2000年前後から雑誌や新聞、テレビ、ラジオなど様々なメディアに掲載いただく機会がボツボツとあるがです。田舎の誰も知らないような、ただ創業の古いだけの小さな竹屋をこうやって取り上げていただく記者やライターの皆様には、いつも、本当に感謝をしちゅうがですぞね、ありがとうございます!


スズ竹四ツ目籠(大)


さて、掲載いただいたスズ竹四ツ目籠ですけんど、実はもともとは、もっと小振りな籠しかなかったものを職人さんがサイズを間違えて作ってしもうた事がありました。けんど編み上がったものを見たら野菜籠等に使うのにはピッタリのようなのです。おっと、そうそうと思いだして持ってきたのは、ちょうど職人さんから頂いて来たばかりの筍があったので入れてみたら何と、お誂え向きぜよ。そんな事があって定番の竹籠となったがですぞね。


スズ竹という素材は細い竹で、「竹」と名前がつくものの笹の仲間なのですが、とにかく粘りと、しなりがあり強いのです。素材の良い食材は、焼いてそのままシンプルに塩とコショウだけが一番美味しかったりするのではないかと思いますけんど、竹細工も似たところがあるのかも知れません。強靱で素朴な風合いのスズ竹の表皮を活かしてそのまま編み込むのは、竹編みの基本とも言える四ツ目でザックリと。これ以上の手をいれず、そのままがエイのです。


「クラウドファンディング」、一体どのようなものですか?

クラウドファンディングとは


竹虎64回目の会社設立記念日でありました先日の10/6日に、ずっと取り組んできましたクラウドファンディング、日本唯一の虎竹自動車プロジェクトが終了したばかりなのですが、地域の活性化に取り組まれる自治体の中にも、この手法に注目されている方が多いようなのです。先日は、ちっくとお問い合わせを頂きましたので、自分が実際にやらせてもらって感じたままをお伝えしたがです。


自分達も手探りで始めましたけんど、期間中に製作した一枚のチラシが分かりやすいかも知れませんぞね。まず、竹虎を知らない方ばかりだと思うところからスタートしました。そこで自分達の紹介からはじまり、どうして今回のプロジェクトになっかのかをご説明したがです。


<日本唯一の虎竹自動車プロジェクトチラシ文章>
はじめまして、虎斑竹専門店 竹虎は創業明治27年、日本の老舗竹材メーカーです。四国は高知県の極一部でしか成育せずイギリスBBC放送も取材に来るような不思議な竹、日本唯一の虎斑竹(とらふだけ)の伝統を守り続けて、今年で121年になります。実は只今、竹虎では「日本唯一の虎竹自動車プロジェクト」といって特産の虎竹を使い電気自動車の製造を計画しています。


「青竹踏みを知っちょりますか?」


どうして、このようなことを思いついたかと言いますと、若い皆様に「青竹踏みを知っちょりますか?」こう質問させていただくと半分以上の方が存じありません。少し前までは日本中どこのご家庭にもあった筈の身近な竹製品の青竹踏みをご存じないのです。日本人と竹は遙か昔より密な関係にあり、生活の中で竹は欠かせない必需品としてあったものです。これは常用漢字だけでも竹かんむりの付く字が、何と140も有ることをみても分かります。竹は、日本の暮らしの中で、ありとあらゆるシーンで役立ちつづけてきたのです。しかし、残念ながら現代ではそれが、忘れられつつあるのです。


日本人の心の故郷


竹は、わずか3ヶ月で親竹と同じ20数メートルもの大きさに成長するのをご存じでしょうか?杉や檜など伐採まで数十年とかかるのに竹なら、たったの3年で伐採でき製品利用できます。だから竹虎では1985年から「21世紀は竹の時代」と、ずっと言ってきました。継続利用可能な唯一の天然資源という側面を持った竹、そして日本人の暮らしに密着してきた竹。都会の方が虎竹の里の竹林に来られて気持ちよいと笑顔になる、何度となくそんな光景を見ていると、日本人の心の故郷は竹林にあり、豊かな気持ちの拠り所となれる場所だと思っています。


環境にやさしい竹


環境に優しい電気自動車で虎竹自動車を製作することにより、そんな竹林を見直していただくキッカケになりますし実際に公道を走ることのできる車ですので、色々な所に虎竹自動車を走らせて行きたいと考えています。道路を走る虎竹自動車の車体に竹を使用できる事自体が、竹の強さ、しなやかさ、等を改めて皆様に知って頂き若い方にも振り向いてもらい、気づいてもらえる大きなツールとなると思っているのです。
<日本唯一の虎竹自動車プロジェクトチラシ文章ここまで>


チラシを読んでいただいてご関心や共感いただいた方のためにQRコードを印字していましたが、このQRコードが分からずにお問い合わせいただく方もおられましたので、別の支援の方法を明記しておくことも必要だと今回思いました。


<日本唯一の虎竹自動車プロジェクトチラシ文章>
今回は「きびだんご」というクラウドファンディングを利用していますが実は、目標金額までにはまだまだ遠く、実現困難な状態です。まずは一度QRコードからプロジェクト内容をご確認いただきご関心のあられる方は田舎の竹屋を応援頂けませんでしょうか?何卒よろしくお願いいたします。QRコードからまたは「きびだんご 竹虎」と検索下さい。2015年10月6日(火)まで募集しています。


●クラウドファンディングとは?

ある目的を持ったプロジェクトに対し、インターネットを活用して不特定多数の皆様に支援(資金提供)頂き、見返りとしてサービスや商品を提供する仕組みです。


●1,500円から支援可能(購入)です。
竹虎は「日本唯一の虎竹自動車」プロジェクトで支援を募集しています。資金提供と言いましても1,500円から参加頂けます。是非、田舎の竹屋を応援頂けませんでしょうか?


●プロジェクト成立について。
目標金額達成した場合にのみプロジェクト成立で、ご支援いただきました皆様に後日商品サービスをお届け致します。目標金額達成しなかった場合は支援金額は返金となり、商品のお届けもありません。
<日本唯一の虎竹自動車プロジェクトチラシ文章ここまで>


そして、一番大事なのは、クラウドファンディングそのもののご説明ぜよ。自分達の周りでは取り組みが進んでいるように思っていても実は一般的には認知度はかなり低く、ご存じない方がほとんどではないですろうか。まったくリスクも何もない仕組みなのですが、知らないがために、せっかくのチャンスをお互いが逃してしますのは、まっこと惜しい事だと思います。


そこで、クラウドファンディングの事、少額から手軽に支援できること、プロジェクトが成立した場合、できなかった場合など、簡単にまとめて明記させていただいちゅうのです。


自分のような田舎者は横文字に弱く、それだけに警戒心も働きますぞね。けんど、分かりやすくご説明させていただければ、徐々に認知度もあがってきた仕組みでもありますので、少し変わった「先行販売」のように考えてご支援くださる方もおられます。これから地方であったり、小さな会社であったりの、大きな手助けの一つになっていくのではないかと思うちゅうのです。


不思議な竹人の出会い

邱錦緞さん


まっこと不思議な出会いをすることがあるがです。「竹の神様」に導かれちゅうとしか思えないような再会でしたぞね。それは、沢山の人が行き交う福岡は博多駅にあるデパートの事やったのです。


昨年、前々から気になっていた台湾の竹工芸や工場、会社様。そして、作家さんの所を色々とご案内して頂く機会があったのです。台湾南投市は竹の産地であり、竹関連の施設や人が集中しちょります。書き出したスケジュールを見たら一日に何社もの竹工場を回れるようなので、ワクワクしちょりましたが、そうやって訪問させて頂いた中に竹工芸作家の邱錦緞さんの工房もあったのです。


邱さんの工房は店舗も兼ねていて、製作された作品がきれいに展示されていて見応え十分やったがです。台湾では沢山の竹人の方々とお会いしましたが、その中でも、とても印象的に覚えていた竹作家のお一人でした。けんど、年に何度も行くことのない博多駅で何気に歩いていて声を掛けられ振り向いたら台湾の竹作家の方など、ちっくと信じられないので、一体何が起こったのかと思いましたぜよ。


台湾の若い竹職人さん


お伺いした時にちょうど見習いの方がヒゴ取りをしよりました。台湾でも日本と同じように若い方で竹の仕事をされる方は、だんだんと少なくなりつつあるのです。そこで、竹についての話しを聞きたくなり、あれこれ質問させて頂いたのですが、その彼女も同行されていました。片言の英語をお話しされるので日本の竹細工を見学に来られた事や、ちょうど、この日に台湾に帰るところだったのが分かりました。


自分にしても、たまたま福岡に用事があって通りがかっただけ。台湾の皆様も移動してきて博多駅にやってきたところ、たとえ待ち合わせしていても、あれだけ人がおったら、なかなか会うのが大変やと思うような場所で出会うはずもないのに、こうして再会させてもらえるとは。本当に有り難い事ですにゃあ。


韓国潭陽の竹職人さん


再会の不思議と言えば先月お伺いさせてもらっていた、韓国潭陽の竹博覧会での地元の竹職人さんと再会もそうぜよ。昨年の竹祭りがどうしても見たくて潭陽に来てましたが、その時に、偶然に竹細工をされている所に通りかかって、言葉は分かりませんが、竹編みを介してお話しさせてもらった方。今年も、こうやってお会いできるとは。竹の仕事をやっていて良かったと思える瞬間ですちや。まっこと、こんな不思議な出会いを重ねて重ねて今があるのかも知れません。


刻印して贈る竹ワインクーラー

竹ワインクーラー


孟宗竹は高さが20数メートルにもなる日本最大級の竹ながです。直径も真竹や淡竹に比べると一回りも二回りも大きく、肉厚と丈夫さから割竹にして建仁寺垣の素材として使われたり、あるいは丸竹そのままでも庭垣の素材や袖垣の芯に多用されてきた竹ですぞね。もちろん竹籠などの素材として使われる事もあって、竹ヒゴにして編み込みに使う場合には主に骨部分や力竹として好んで職人さんに使われてきちょります。


江戸時代には孟宗竹の大きさからか、庭に植える事が武士の間でひとつのステータスシンボルのようになっていた事もあるそうですが、珍重されたきたのには、もっと実用的な理由があり、それが食用利用、つまり筍だったのです。あれだけの大きな竹から生える太い筍は日本中の里山で貴重な食料として、多くの人々のお腹を満たしてきたのです。


竹ワインクーラー刻印


そんな孟宗竹(もうそうだけ)を利用した竹ワインクーラーは、太い竹の中でも出来るだけ直径が太い3年、4年竹を厳選して伐採します。竹は根元が太くウラ(先端)部分になるに従って細くなります。身の厚みも違ってきますで一本の竹から製品に出来るのは、ほんの数個ぞね。それらの竹を、十分に乾燥させてから、ひとつひとつ加工していきます。最近、リクエストの多いのは、お店様などの刻印サービスぜよ。黒塗りしたワインクーラーに白い墨入れをすると、お名前でも、ロゴマークでもクッキリと浮かびあがるように見えて、まっこと、なかなかエイ感じながです。


竹ワインクーラー刻印


竹は実は丸くないのです、歪みがあったり、楕円であったり。けんど、そんな自然そのままの竹の形と、底の竹節とを活かした作り。竹の表皮を削る時に凹凸が出るように、あえて粗削りして、野趣あふれる風合いをお楽しみいただきたいと思うちゅうがです。


64回目の会社設立記念日の朝

竹虎社員


自分が入社してからでも30回を数える設立記念日の朝ですぞね。竹虎は大阪天王寺で竹材商として明治27年に創業しました。皆様のご愛顧のお陰で自分で四代目。121年もの長きに渡り竹を扱わせて頂いちゅうがです。けんど、今日の朝はまたちっくと違う記念日となりましたぜよ。それが、目標達成した「日本唯一の虎竹自動車プロジェクト」です。


竹虎の長い歴史の中では様々な竹製品を扱うてきたかと思うがですが、まさか、竹で自動車とは...先人の皆様もちっくと驚いちゅうかも。いやいや、よく考えたら元々の車といのうは、荷車にしろ、エンジンのついた初期の車にしろ木製やったのでは?だから、意外と初代宇三郎あたりは「ふふん、曾孫が何をやってんねん?」と鼻で笑うてくれゆうかも知れませんにゃあ。


笑いよれ


けんど、今の時代に竹の車というのは、なかなか画期的というか周りの人は一目見ただけでアッと驚くと思うがぜよ。そして、もちろん、そんな今まで誰も見た事のない、日本唯一の虎竹の車を作るつもりながです。


昨日はクラウドファンディング成功の報告を会社の朝礼でしたら拍手喝采が起こって、どうやら自分達が沢山の方に支持されちゅう事、沢山の方の期待や、応援の声を頂いている事は社員ひとりひとりにも何となく分かったかと思うのですが、竹に毎日触れている社員でも分からないものが、あまり竹に馴染みのない方に分からないのは当然ですろう。


筆文字


インターネットが普及したというても新しいサービスや知らない仕組みは何やら怪しいと思われたり、警戒することは当然やと思います。むしろ、そうでないと情報化社会は乗り切って行けませんろう。本人の自分さえ確実に分かっちゅうことは、開催する方も、お客様の方もお互いにリスクは無さそうという事だけ。


それにしても、8月末からクラウドファンディングを開始した当初、あまりの反応の薄さに、一体どうしたらエイろうか?思わず筆を取って書いた言葉の一つがこれ。そして、もう一つ。別に誰か他の人に対して書いたものではないがです。弱い自分に言い聞かせたがですぞね。


アクセル全開


自分にとっては、とても大きな目標やったので、毎日本気でやらないと、とても達成できないと思いよりましたが、アクセル全開で踏むことは難しいです。全開のつもりでも、今思えばどうやったろうか?実際の道路でも余程見通しが良く、道幅の広い高速道路のような道でないと危なくて踏めません。


怖々でも踏むことが出来たのは、道のずっと向こうまで見渡せるような広い場所に導いていただいた皆様のお陰なのです。ありがとうございました。


目標達成御礼!日本唯一の虎竹自動車プロジェクト

目標達成御礼!日本唯一の虎竹自動車プロジェクト


本当に感謝の気持ちでいっぱいですきに!今日は皆様に一言、お礼を申し上げたいと思うちゅうがです。8月の終わりからクラウドファンディングを使って取り組んできました「日本唯一の虎竹自動車プロジェクト」には、全国からの沢山のご支援をいただきました、ありがとうございます!皆様の温かく、心強い応援のお陰で、見事に目標金額を達成させていただく事ができました。


自分達にしたら、とてつもなく大きな金額でしたので、社内からも「無理」「無謀」という声が最初からあったがです。けんど、だからこそ挑戦しがいがあると思うちょりました。しかも今回は、今まで名前を聞いた事くらいしかなかった、クラウドファンディングという新しい手法での取り組みです。田舎の会社ですので新しい事には及び腰なところがありますが、お客様にとっても、自分達にとっても別に何かリスクがあるものではありません。一体どのような仕組みなのか、実際にやってみて、身をもって知ることも大事ではないかという思いもあったのです。


一つのハードルを越えたことにホッとしちょりましたが、ようやくスタートラインに立つ事ができただけでもありますぞね。これからが実は自分達にとっての本当の試練であり挑戦です。沢山の声援をいただきました皆様のご期待に添えるような、必ずや恥ずかしくない最高の虎竹自動車を完成させます。


完成は来春予定。今まで以上に色々な課題がありそうですが、どうか皆様には楽しみにお待ちいただきたいと思うちゅうがです。


今夜9時放送「ぐっど騎士(ナイト)RADIO」

竹虎四代目(山岸義浩)


先日収録があった事を、この30年ブログでもお話しさせてもらっていた高知放送「ぐっど騎士(ナイト)RADIO」というラジオ番組が、いよいよ今夜9時から放送される予定ながです。何というても1時間番組ですきに、たっぷりと日本唯一の虎竹の事や、虎竹の里への思い、あるいは竹虎での仕事、皆様があまりご存じない竹製品や竹細工の話し、そして、今まさに取り組み真っ最中で一番お伝えしたい、日本唯一の虎竹自動車プロジェクトなどを色々とお話しできるかと思いきや。


60分という時間は以外に短いものながですぞね。パーソナリティの井津葉子さんは、自分が「高知の声」と思っているほど昔から馴染みもあり、運転中にカーラジオから声が聞こえてくると、本当にホッとして、安らいでしまうような、ずっと憧れていた方でもありますので、一緒にお話しさせて頂けるのが嬉しゅうて、気持ち良くお話しさせてもらいよったら、ついついリラックスしてしもうて、「ええっ!?もう終わりですか...?」と言うくらいアッという間に収録が終わったがですちや。


今日も数えて、クラウドファンディングの締め切りまでなんと後4日しかなくなっているので、あれだけ、どうしてもお話しせねばイカンと思っていた日本唯一の虎竹自動車プロジェクトの挑戦の事を実は一言も話せちょりません。


竹虎四代目(山岸義浩)


インターネットの発達によって地域間の差を昔ほど感じなくなって、東京でも高知でも同じ話題に、同じタイミングで触れられ、それは、便利な世の中になっちょります。けんど、まだまだテレビやラジオ番組、新聞などには地方色があります。ローカルならではの良さに心安らぐ事もあるがです。


今夜のラジオも高知でしか聴くことができませんぞね。この30年ブログをご購読いただきゆう皆様は、もしかしたら多くの方が、お聴きいただけない地域にお住まいかも知れませんにゃあ。けんど、お話しさせてもらう竹についての事は、いつも、このブログで自分が皆様に言いゆう事ばっかりやったと思います。竹しか知らない田舎者ですきに、他の事は何ちゃあ知らんし洒落た事も言えません。自分達の竹の事を、普通ににお話しさせていただいただかです。


竹虎四代目(山岸義浩)


ラジオか...。あまり、この番組と決めて聴くものは少ないですにゃあ。けんど、車の中では必ずというても良いくらい聴きよります。特に今夜は「聴かなば、斬る!!」と言うて気合い十分ぜよ(笑)。


うんうん、今日は懐かしい昔の年賀状の画像が何枚か出ていますけんど、まっこと価値ありか、なしか?それは聴いた方のみぞ分かる事ですぞね。


「ぐっど騎士(ナイト)RADIO」


走りたい。どこまでも。

竹虎四代目(山岸義浩)


先月より何度かご案内させて頂いております。日本唯一の虎竹自動車プロジェクトは、いよいよ残すところ後5日...。来週の火曜日10月6日が最終日となっちょります。


今回のプロジェクトを開始するにあたって色々な事が頭をよぎりました。こんな田舎の小さな竹屋には大きすぎる目標。虎竹の自動車を走らせたいという自分の勝手な思い。けんど、考えたらワクワクする、ドキドキする。こんなに楽しくて、胸が弾むような気持ちなる事やったら、間違いないろう、やらないと後悔するぜよ。そんな自分の目に飛び込んできたのが、矢沢永吉が登場する日産自動車のCMでした。


「やるか。やらないか。」
「やっちゃえ、NISSAN」


ちょうど、やりたい事が虎竹自動車、同じ車やっ!あの永ちゃんが自分に言うてくれてるように感じました。


「やっちゃえ、TAKETORA!」


だから、クラウドファンディングの事も、そこまで十分調べることなく飛び込んだがです。もちろん、やれると信じて疑いませんでした。自分が、これだけ熱くなることなら、「やれる。」


ところが、燃えてスタートしたプロジェクトではありますが、渾身の力を込めたページも虚しく、ご支援は、さっぱり...全く頂くことができません。一体何がダメながやろうか?一人よがりの夢に誰も興味も関心もないがや。暗闇にポツンとした気持ちを思い出しよりしました。それは、インターネットを始めた2000年前後の事、何をやっても、どれだけ大声を出しても誰も返事がなく、人気をまったく感じられずにいた頃の事ぜよ。


助けてくれたのは仲間やった。一通のメールが届いてハッと我にかえったがです。ウェブ制作でも竹屋のプロである自分が、専門職ゆえに見過ごしていて皆様に伝わらなかった事があった。今度も全く同じ間違いをしちょったがぞね。そんな同志とも言える方々の応援を頂戴してから流れが変わった。


ひとり、又ひとり。


応援の輪が全国に広がっていって、到底たどり付く事などできないと思いよった目標に、まっこと、あとわずかな所まで来ちょります。


皆様のお陰で、ここまで来られました。感謝の気持ちだけです本当にありがとうございます!


昨日、自分の机の上には、シワになった封筒が届けられちょりました。中を見てみると現金が入れられちゅう。差し出し人は、いつも竹を伐っていただく山の職人さん。応援したいけんど、インターネットを使う事ができないからと、こうして、こじゃんと温かい気持ちを直接届けてくれる地元の方々がおられるのです。自分は、この虎竹の里を、竹の文化を、ここの暮らしを、守る。その思いを強く、強く改めて思いよります。


日本唯一の虎竹自動車プロジェクト最終日の10月6日は、竹虎の64回目の会社設立記念日ながです。もともと大阪天王寺で創業した竹虎が虎竹の里に根をおろしたのは戦後の事ながです。不慣れな土地で祖父が裸一貫から築いてきた竹虎。地域の方に、ようやく認めてもらった日であったかも知れません。


10月6日の虎竹の里の空はどうやろう?いつものように青く、焼坂の向こうまで澄んでいるやろうか?そして、そんな上から祖父が見る竹虎はどうやろうか?沢山の竹人に囲まれて笑顔で見てくれゆうろうか...?


日本唯一の虎竹自動車は二人乗りぜよ。最初に横に乗せて一緒に走る人は、もう決めちゅうがです。



創業明治27年老舗竹屋の挑戦!!!日本唯一の虎竹自動車を創って竹の美しさ、強さ。伝統文化の素晴らしさを全国発信するプロジェクト。自分達と同じように小さく、弱い、地方のモノ作りをする全ての人に元気を届けられると信じちょります。


別注の特大黒竹玄関すのこ

別注の特大黒竹玄関すのこ


前に大学の先生と虎竹についてお話しさせていただきよりましたら、虎竹の色づきの理由のひとつとして、もしかしたら潮風があるのではないか?と言われよりました。植物にとって塩分というのは決して良いものではなく、塩害で農作物が出来なかったりする話しを聞く事もありますが、この塩分で植物は黒い色合いに変化するそうなのです。


虎竹の里もすぐ目の前に海があります。台風の接近したきた波の荒い日などは、波の音が聞こえてきますが、たとえ音が聞こえずとも建物や車のドアを開けた瞬間に、強い潮の香りして波の高さを知る事ができる程なのです。それほど海に近く、また潮風も場合によっては白く見えるくらい山の方に向かって吹き付けている事もありますので、そんな潮風が竹林に何らかの作用をしていることは、十分に考えられるかも知れません。


潮風で色合いが黒く変わるという事は自分達の経験からでも頷ける所があって、それは、黒竹の竹林が温かな陽当たりの良い海沿いの地域に多いからながぜよ。陽当たりが良い場所というのは、目の前の海から遮ぎられるものが何も無いという事でもあって、潮風も十分に吹き付ける場所だということです。


いずれにせよ、自然界のものなので、そう単純ではなくて、様々な要因が絡み合い、絶妙なバランスで生み出されるものが日本唯一の虎竹であり、黒竹ではないかと思うちょります。黒竹玄関すのこは、そんな黒竹の色合いと細さを活かし、足裏に何とも心地のよい感触が楽しめるスグレモノぜよ。通常のサイズより何倍も多くなった別注黒竹玄関すのこが、お客様のお手元に届いたら、その自然の竹の迫力に、さぞビックリされますろうにゃあ。例えば広い玄関に置かれるとしたら雰囲気が一変しますので、それも又、圧巻に違いないがです。


けんど、このような別誂えの製品は職人も手慣れたもの。問題は、今月6日にクラウドファンディングの終了する、日本唯一の虎竹自動車プロジェクトですぞね。なんとか目標金額を達成して、それで終わりではないがです。実は、製作にゴーサインが出てからが本当のスタート。今まで創った事もないもの、それも車という竹虎始まって以来のもの。期待と期待と期待が入り交じっています。