本気という詩をご存じですろうか?
本気でやれば、たいがいの事はできる。本気でやれば、なんでも面白い。本気でやっていれば、誰かが助けてくれる。
はじめて、この詩を教えていただいた時には、会社の経営が行き詰まった、どん底の状態だったので衝撃でした。やる事、やる事、何をやっても上手くいかず、真っ暗な閉塞感の中で、ただ一人きりのような気がして、今にも押しつぶされそうになっちょりました。確かに本気になれば、何でもできるというのは分かります。本気でやれば何でも面白いというのも、あれだけ嫌だった竹の仕事でさえ曲がりなりにも出来るようになったので、これも自分の経験から、その通りだと納得できました。
けんど、誰かが助けてくれる...?
そんな都合の良いことが起こるなど、とうてい信じる事はできません。また、そんな誰かを待っている時間的な余裕もありませんでした。けんど、皆様、どうぞ笑ってください。この頭の悪い田舎者の自分が、借金と経営不振のどうしようもない最悪の状態で、本気の詩を知って実行したこと。それは...、
「この詩を毎朝50回唱えること」
まっこと、信じられますろうか?ビックリされた方も多いのではないでしょうか?この詩の話を聞いたのは忘れもしない早朝の会でした。会場を出たのが朝7時過ぎ、その帰り道から車の中で唱えだしたのです。1回唱えるごとにハンドルを握る指を折っていきます。どうして、そのような事を始めたかは覚えちょりません。けんど、とにかくその当時の自分の出来ることは、もうそれくらいしか残されてなかったのかも知れません。この習慣は、その後十数年続きました。そうしている内に、ひとり、又ひとりと恩人に出会わせて頂き、それぞれの皆様に助けられて今があるがです。こうして文章に書いてしまうと、何やら出来すぎちょりますにゃあ。けんど、本当の事なのです。そして、実は、現在も声に出す言葉は変わり、回数も50回が100回に変わりしているものの、あの時からずっと同じように毎朝続きよります。
ところが、今改めて思うがです。「誰が助けてくれるぜよ...」と泣きそうになって、もがいて、もがいて、這いずり回っていたあの日。既に自分は多くの方に助けられちょりました。あんなダメな自分を許してくれた家族。黙って仕事をしてくれよった社員。いつも笑顔で迎えてくれた山の職人さんや内職さん。小さい頃から声をかけ続けてくれた近所のおばちゃん。まっこと、少し考えただけでも数えきれない皆様に助けられちょった。
自分は、本当に多くの恩をうけて生かされちゅう。いただいた分は、その恩を他の誰かに返す「恩送り」をしたい。人生の時間をその事に使えることに心から感謝しちょります。日本唯一の虎竹自動車を創る話したら人に笑われたりしましたけんど、それも有り難い事ですちや、考えたら大いなる応援ぜよ。ちっくと前の自分やったら、馬鹿にすらしてもらえんかった。誰も竹の事など、竹虎の事など相手にもしてくれんかった。だから、やっちゃる。絶対、やっちゃる。こんなに美しく、素晴らしい日本の竹は、もっと、もっと沢山の人の笑顔を作れるはずなのです。
創業明治27年老舗竹屋の挑戦!日本唯一の虎竹自動車を創って竹の美しさ、強さをお伝えし、伝統文化の素晴らしさを全国発信するプロジェクト。
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