もう何年も前の事ながですが、京都で竹の車が作られたというニュースを聞ききました。これは見たいと思って、何かの用事のついでに少し遠回りして、展示されちょった京都駅までワクワクしながら見に行った事があるのです。
白竹でヤタラ編みされた車体、ハンドルは籐巻きされちょりますし、シートなど内装も、まっこと凝った作りなのに驚きましたちや。さすが京都大学はじめ数社の企業が協力して創られたというだけあると、本当に感心しながらアチラコチラと拝見させてもらった事なのですが、何より、この竹の車がただの飾りではなくて、ナンバーが付いており、普通の車と同じように公道を走ることのできる実用車という事に感動したがぜよ。
竹の強さ、軽さ、しなやかさが実際に道路を走る事の出来る車のボディとして、十分に使える実用性の高さを証明しているという事なのです。こんなに分かりやすく、多くの方に知ってもらえる機会は無いにゃあ、そして、こんな竹の車を日本唯一の虎竹で創れたらどうなるかなあ、この竹の車を初めて見た時から、実はずっと思っていたのです。
けんど、その思いが更に強く、確実なものになったのは、この竹の車に座らせてもらい、走らせて頂く機会があってからなのです。製造の中心になって実現されたのは祖父の代からお付き合いのある、東洋竹工さんという会社様でした。
はじめて竹の車を拝見させてもらってから、数年経っちょりましたので、白竹の真新しい色合いも落ち着いて、ちっくと渋い雰囲気ぜよ。まず、座席に座わった時から竹に包まれた感じが嬉しいがです。そして、少し走らせみると今まで、あまり感じた事のない爽快感ぜよ。ああ、これで虎竹の里など走れば、さぞ快適だろうなあ、楽しいやろうなあ。ただ、ただ単純にそう思うたのです。
けんど、もし竹の車を新しく虎竹で作るとしたら、今の一人乗りではモノ足りないだろうなあ...。できれば、誰かと二人乗りにすれば、ご一緒する方に、もっと竹の事を伝えられますろう。そう、例えばお客様にお越しいただいた時に、日本唯一の竹林に案内させてもらう車が、その竹林の竹で出来ていたら...?この虎竹の里で自分達と100年共に生きてきた竹を感じてもらえるのに、こんなにエイものが他にありますろうか。
もちろん、自分達が1985年から言うてきた「21世紀は竹の時代」は、竹の成長が驚異的で環境に優しく、エコな素材だからです。継続利用可能な唯一の天然素材である竹らしく、排気ガスは出さない電気自動車しか考えられません。ところが、電気自動車で二人乗りの車というのが、トヨタ、日産、三菱、ホンダ...など思いつく限りの各自動車メーカーさんを回ってみて、営業担当の方に聞いてみても、探してもなかなか見つからなかったのです。
どうも一人乗りの電気自動車しかないようだ...。ちっくと諦めかけた事もありました。いやいや、けんど、すぐに思い直します。竹の事を少しでも理解いただくために製造したいのに、一人乗りでは思いを伝えきれない、やはり、二人乗りにして隣にお客様を乗せて走りたい、竹の車に一緒に乗ってこそ、お伝えできる「竹」があるはずなのです。
毎年夏のインターンシップにやって来られる学生さんの半分が、昔から何処のご家庭にでもあると思っていた。青竹踏みを全くご存じない!?まっことビックリしました。これほど日本の竹離れは進んでしまっちゅうのか!?昔から身近で馴染みがあって、生活の中では無くてはならなかった竹への思い、日本の竹のある暮らしを再度見直していただくには何としても、二人乗りでないとダメだと考えたのです。
そしたら、その執念が実ったのかっ!?二人乗りで公道を堂々と走れる電気自動車が見つかったがです!!!それが光岡自動車さんというメーカーさんで、様々なユニークな車作りをされてきた会社様ぜよ。そういえば何十年も前の学生の頃に、大きな自動車メーカーさんの他にも車を製造している会社がある事を知り、カタログか何かを頂いたことがあったのを思い出したがぞね。
あの光岡自動車さんならと思ったとおり、Like-T3という二人乗りの電気自動車が見つかりましたぜよ。そうと決まったら、これは一度実際に乗ってみんとイカンちや。試乗できる車が大阪にあると聞いて飛んでいき乗ってみたら...
これは、いける!!!夢は大きく広がりゆうのです。
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