決して大袈裟でも何でもないがですちや。フローリング履きで竹皮草履より優れたモノがこの世にありますろうか。そりゃあ、時代はドンドン進みます、もしかしたら凄い新素材が開発されて今まで想像もできなかったような快適なスリッパが出てくる事もありますろう、けんど、昔から日本人の身近な素材を使い、伝統の技で守り続けられ、愛され続けてきた履物という点では、この先人の知恵の結晶のような履物を越えることはできないと思うがです。
この整った美しい形、細かい編み込み、これらは全て熟練の竹皮職人が、竹皮とワラという田舎でしたら何処にでもあるような素材を活用しながら、卓越した手技で生み出す、芸術品というてもエイような手仕事なのです。里山には毎年時期になると筍が元気いっぱい生えてきます。竹皮はそんな筍が成長するにしたがって一枚づつ脱いでいく衣服のようなもの。現代では、ほとんど使われることなく朽ちていく資源を有効利用している事にもなりますし、この竹皮には天然の抗菌性、消臭性など、人に嬉しい機能性まで付加されちゅうきに、まっこと素晴らしいの一言に尽きるがです。
自分こそが竹皮草履の一番の大ファンでもあって、夏がシーズンのようにも思われちょります竹皮草履を、本当に一年通して、ずっと愛用し続けているのです。暑い時には足裏への刺激がサラリと涼しく、風呂上がりなど、このスリッパでないと素足だとフローリングがベタベタしますし、布製など他のものは絶対に履くことはできないですが、実は、寒い季節はこの竹皮が自然のやさしい温もりを感じさせてくれますので、竹皮とは本当に人に寄り添う最高の天然素材やと思うちゅうがぜよ。
一足づつ手作りですので、それぞれに出来映えに差があり、耐久性などにも違いが多少あるのですが、長く愛用していて傷むのが前ツボと呼ばれる親指と人差し指の間に挟む鼻緒の前部分ながぞね。ワラを使い、しっかりと留めてられちゅうのですが、擦り切れて外れてしまう事もあるのです。
鼻緒の履物は前ツボが外れると全く歩くことができません。そんな時の修理にご家庭にあるものを使って簡単に直すには、外れた部分を竹皮の裏面まで通しておいて、その先端部分をガムテープで数回巻いて団子状にします。後は足を入れて、普通どおりに歩いて頂けばエイのです。
そんな簡単な事で大丈夫なの?外れる事はないの?そう思われるかも知れませんけんど、体重がかかるせいで余程無理をしない限りそうそう外れる事はありません。竹皮は水気にも比較的に強く、長持ちする素材です。鼻緒が先に傷む事が多いのですが竹皮部分はまだまだ使える事が多く、もったいないと感じられる方も多いかと思います。前ツボ部分の修理には是非お試しいただきたいと思うちゅうのです。
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