自分は田舎の小さな竹屋で、日本でここにしかない虎竹という虎模様の浮き上がる不思議な竹に囲まれ育ち、それを120年前から生業としているということ以外、別段特別な事も、誇れるような事も何もないがですが、ひとつだけ、ちっくと自慢があるとしたら、誰よりも竹に関わる人と会い、語らい、時間を費やしてきた事やろうか。
だからと言うて、知らない事が無いというワケではなくて、実は知らない事ばかりで、出会ったことの無い人ばかり、まだまだ竹の技や、竹の事で、日々驚きや感動が続きよりますので、竹はどこまで行っても終わりがないのではないかと思いよります。竹の人と会う度にますます面白く楽しく、今度は、どんな方にお会いできるろうか?ドキドキわくわくしてくるがやけんど、本物の竹職人に会うと時には嬉しくて涙が出ることがあるぞね。
「どうして竹をやっているかって?」
「竹があるからだよ」
親から譲り受けた刃物を器用に使いながら竹を割る、剥ぐ、その音と香りで幸せな気分になる。竹は、まっこと素晴らしいです、ずっと日本人と共にあった身近な素材。だから、竹を知る事は、日本の暮らしを知ることやし、日本人を知ることでもありますろう。もっともっと日本を知って好きになりたいにゃあ。
昨年から台湾や韓国の竹職人さんにお会いしたり、ニューヨークやヨーロッパなど海外で竹の仕事に関わる機会がある都度、実は強くなる思いは日本への思い、故郷にしかない竹への思い、離れるほど大切なものが鮮明になるような気がするがです。
コメントする