竹串や竹の楊枝など国産のものは、やはり国産だけの品質があるのです。竹は自然のままのモノ、カビや防虫などの薬剤は使うちょりません。まず、当たり前ですが安全性が一番やと思うのです。そして、竹表皮に近い一番丈夫な部分だけを使っているので強いのです。誰にでも分かりやすいの物のひとつに竹楊枝がありますにゃあ。もし、お近くに市販されている木製の楊枝があれば、竹楊枝の折れにくさや、先端部分の強度など簡単に比べられます。
ところが、このような付加価値があまり高くはない竹材加工は、どんどん海外に生産が移り、日本で製造されるメーカーさんは、本当に極わずかとなっちゅうのが現状ながです。竹虎で昔から使いよります竹釘などもそうですぞね。金属製の釘では効かない竹には竹で出来た釘(セン)が最適ながです。色々なサイズがあって、以前は沢山作ってくださる職人さんがおられました。けんど、このような竹釘も、仕事の変化や高齢化で地元の職人さんはおりません。今後は、どうやって調達しようかと模索しているところぜよ。
焼き鳥や団子などに使う串のサイズとは明らかに違う大きなサイズの竹串、これは一体に何に使うがやろうか?と思いよりましたら、アメゴとか鮎など川魚を囲炉裏で焼き上げるのに使う竹串だったのです。いつやったか、美しい渓谷を通りがかった時に、まさに囲炉裏の炭火の周りにアメゴの丸焼きを突き立てて販売しよりました。日頃あまり食さない川魚ですが、一口食べたら、その美味しさに、一気に丸かじりで食べてしもうた事を思いだしますが、あの時も確かにこのような大きな竹串に刺さっちょりましたにゃあ。このような竹串がないと、あの美味しいアメゴは食べられなくなるのです。
竹を細く縦に割って簡単に面捕りして、両端を鋭利に削るだけのシンプルなものです。どこでも製造出来そうではありますがこれも竹楊枝や竹串などと同じです。程度の差はありますものの、もしかしたら今までのように、製造する事が出来にくくなっていくのではないかと思っています。日頃から同じような竹串を製造し続けているものでしたら、冬場にしか伐採しない良質な材料も用意されているし、専用の機械があったりノウハウのある職人さんもおられるかも知れません。しかし、たまにあるだけの仕事なら、そのような準備をする事はできません。安全性や国内の竹材有効活用など環境意識なども手伝って、日本のモノ作りへ還ってくる動きは随分前から感じつつも、いくつかの手仕事で復活が難しい空洞化が進んでいるのも現実ながです。
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