誰もいない静かな日曜日の竹工場が好きながぜよ。長い竹を立てかけますので天井も高く作っちゃある竹虎の工場。小さい頃から屋根の低い所は、どうも違和感があるのは、このせいやろうか?広々とした工場に自分の歩く八割BLACKの音だけ聞こえよります。そういうたら、祖父もこうやって雪駄履きで工場を歩きよった。ゆっくり、ゆっくり、ひとりひとりの職人さんの手元を見ながら歩きよった。一本、一本の竹を下から上まで見ながら歩きよった。
そんな事を思いだしながら作業場に入るがです。職人さんの使う機械や道具、この古い鋸には住所が刻印されちょります「大阪上本町六丁目」竹虎は今年で創業121年もやらせてもらいよります。こんな文字ひとつで多くの先人の方の苦労によって今がある事を改めて感じさせてもらえて感謝するがです。
「ヨシヒロ。お前も少しは竹の事が分かるようになったなあ...。」
いずれ、こんな事を祖父に言うてもらいたい、ただ、それだけぜよ。振り向いたら、おそらくそこに居るろう。けんど、まだまだこれから恥ずかしゅうないようにやってから、それから声をかけるきに。そんな、竹人たちに会える誰もいない竹虎の工場は、自分が帰る場所であり、ここが故郷ながですろう。
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