この2月にストックホルムの国際見本市(Stockholm Furniture Fair)に出展させて頂く事になって、竹家具の展示に行った話しは何度かさせて頂いたと思うがです。青竹そのままの造形はインパクト満点ですので、きっと人目を引くのではないか?そう思いよりましたが予想以上の反響に、まっこと驚きの連続でしたが、今日の話題は、そのストックホルム・ファニチャー・フェアではなく、期間中に一日だけあった、オフの日の出来事をお話しさせてもらいたいがです。
ストックホルムといえばノーベル賞の授賞式会場があったり、ジブリ映画の舞台とも言われるガムラ・スタンという旧市街地。そして、世界遺産の墓地スコーグスシュルコゴーデン(Skogskyrkogarden)など、見本市会場から電車ですぐの場所に素晴らしい見所が沢山あるのです。
もちろん、田舎者の自分はヨーロッパは初めてでしたし、右も左も分かりませんので、はぐれないように皆さんに付いて行くのに必死。ストックホルム中央駅に入っても、珍しいものを見るでもなく、ただ、ただ、後ろに着いて歩くだけやったのです。
ここは中央駅と言うだけあって色々な路線のハブになっちゅうがですろうか?駅構内は、なかなか広いし、沢山の人が行き交いよります。まっこと東京や大阪など日本の大都会と同じやにゃあ。そんな事を思いながら迷子にならないよう歩いていきよりましたが、ただ、一箇所だけ駅の中の中心地と思われる場所に、丸いサークル状になった所があり階下を歩く人々が見える、少し変わった場所があった事はハッキリと覚えちゅうのです。
最近は物覚えも良くないのですが、どうして鮮明に覚えているかと言うと、実は、サークルの柵の上に虎がおったからなのです。最初はライオンかにゃあ?と思うて近寄ったのですが模様が虎ながぜよ。こりゃあ、虎やろう!とにかく虎と言うたら何か親近感が湧いてきて思わずカメラを取り出してシャッター押したがぞね、だから、この場所は間違いなく覚えちゃあるのです。
さて、話しはこれからながですぞね。ストックホルム国際見本市での仕事も無事に終わり帰国してからのある日、突然、ある方からメッセージが飛んで来たがです。そのメッセージには、こう書かれちょりました。
「2月●日にストックホルム中央駅の、下の階が見える丸い所にいませんでした?」
「えっ!?......どうしてそれを?」
実は、その方も偶然その日に、そこにおられたとの事でした。そして、たまたま自分の姿を見つけていただいたようなのです。そういえば、ストックホルムに行きがけの乗り継ぎのヒースロー空港でも竹虎のお客様が同じ飛行機に乗っておられて、こじゃんと嬉しかったのですが、作務衣に前掛けは、やはり海外では尚更目立つようながですぜよ。外国に行くにも、着ていくよそ行きの洋服を持っちょりませんきに、いつもの格好でそのまま行ったけんど、思いがけずケガの功名で、よかったかも知れんにゃあと思うのです(笑)。
さて、そこでです。色々お話しさせていただくうちに、実は、その方は料理人でありヨーロッパ各地にご友人がおられて、あちら、こちらを悠々自適に旅もされゆうとの事で、たまたま、自分が5月にパリのパティシエさんの所に竹炭を持っていき、スイーツ作りの見学などする事になった事をお伝えしますと、ちょうど、その頃はイタリアに滞在してているのだけれど、フランスまで移動してくるから食事をしようという事になったがぜよ。
そのお店はパリ15区にあって、食通の方の間でも評判になっている。日本人シェフ西秀樹さんのお店、ネージュ・デテ(Neige d'ete)と言います。日本語の意味では「夏の雪」、なんとメッセージを下さった方の娘さんも働かれゆうレストランですぞね。自分のような味音痴には、フランス料理の繊細な事も分からんですけんど、この時に一緒に行った方々は、料理関係のお仕事もされゆうし、日頃からグルメな食生活の方達やったのですが、ここで出して頂くお料理には最初から唸りっぱなしやったです。自分もこんな美味しいチーズは高知には無いにゃあと思いよったですが、皆さん大満足のランチとなって、まっこと嬉しかったのです。
そんな素晴らしい西秀樹(nishi hideki)シェフともお知り会いになったし、まっことストックホルムから不思議なご縁がパリに繋がりましたぜよ。インターネットの発達で色々な変化が起こりよりますが、今回は竹虎のウェブサイトや竹虎FBで自分の事もよく知っていただけちゅうし、相手様の事も前もって色々と知ることができるので、奇跡のように繋がることができたのだと思います。このような人とのご縁が世界を舞台に繋がっていくのなら、日本唯一と自分達では言いながらも、今まであまり知られる事なかった不思議な虎模様の竹も、もしかしたら、ひとつひとつ繋がり、広がっていける無限の可能性があるろうか?いやいや、きっとあるに違いない、そう確信するがです。
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