田舎×インターネット×老舗「竹虎四代目への道」

田舎×インターネット×老舗「竹虎四代目への道」


田舎×インターネット×老舗「竹虎四代目への道」という本を幻冬舎さんから発行させて頂いたがです。「田舎」、「老舗」それなのに「インターネット」少し異質の組み合わせで意外な気がされますろうか?


けんど、地方の時代と言われながら、いつまでも陽の当たらない田舎も、伝統の技が、どんどん忘れられていって継承が難しくなり消えゆく老舗も、インターネットという新しいツールで生まれ変わる可能性を多くの人に知って頂きたいという願いを込めた題名になっちょります。


自分が本を書くなど、まったくもって柄ではありません。竹の事しか知らない田舎者ですきに本という形ではありますが、内容は、誰にでも役立ったり、面白いものでは無いかも知れません。ただ、ただ、自分は竹のように真っ直ぐに竹を見習うて、竹のように生きたいと思うちょりますので、そんな思いだけで竹虎の今までを本にさせてもろうたがです。近しい人にこそ遺す竹虎の言葉であり、歴史ながです。


竹虎四代目,作務衣,さむえ,SAMUE


自分は謙遜して言うわけでも何でもなく、学生時代から何をやっても中途半端なダメな男やったですぜよ。勉強もスポーツもダメ、優柔不断で楽な事ばっかり追いかけよった。そうそう、3月に母校である明徳の卒業生スピーチをさせてもらいましたが、その数日前の30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」の2月25日~3月2日辺りを関心のある方はご覧いただければと思いますが、まっこと人にお話するのも恥ずかしい、どうしようもない若造でした。とても竹虎四代目になれるような人間ではなかった。自分は最初から竹虎四代目では無かったがですぞね。


弱く、小さく、迷ってばかりの男が、それでも何とか立ち上がろうと決意出来たのは日本唯一の虎竹と100年に渡って伝統を守り続けてきた竹の血ですろう。自分は虎竹の里の見えない力に助けられて竹虎四代目になっちゅうがです。この本を書く時、こうやって竹林で大好きな祖父や職人さんを思う時、自分が、この大いなる竹林の一部であり、悠久の時の流れの一部であり、はかなく存在ではあるものの「今」を生きられる感謝があふれます。


竹の道は、イバラの道ぜよ。ずっと暗闇を歩いてきた、自分は誰やろうと思うた。どうして初代宇三郎は、こんな竹をわざわざ大阪から探して来たがやろう?二代目義治は...、三代目の父は...。こんな竹、こんな竹、こんな竹、こんな竹、こんな竹...。涙があふれて止まらんなって、独り工場で大声だして我にかえったら竹に笑われゆう気がした。そんな情けない男の本ながぞね。


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