昨日は少し稲ワラのお話をさせていただきました。身近な稲ワラからは、ワラ縄をはじめとして米俵、むしろ、ワラ靴(ワラで編まれた長靴)、みの等の仕事や生活道具が、いろいろと作られてきたのです。自分の小さい頃には竹を縛るのにワラ縄は、まだ使われちょりましたし、内職のおばちゃんの作業場には普通にワラのむしろが敷かれていました。もしかしたら皆様の中にはワラの鍋敷きだとかワラ座布団などは、お使いの方がおられるかも知れません。
そんなワラ細工の中に、「わらいずみ」と呼ばれる飯櫃入れがありますぞね。もともと広く使われちょったモノなので呼び名や作りが違いますが、ご飯を冷めにくくするための道具なのです。今のご家庭で見られることは、まずないかと思いますが、そう言えば...お鮨屋さん...で、そう気づかれる方もおられるかも知れません。
そうながです、あのお鮨屋さんのシャリを入れて保温しているのが、ワラで編まれた「わらいずみ」ながです。稲ワラで出来たお米を炊いてから、今度は稲ワラで出来た「わらいずみ」に入れるとは面白いですが、思えば米俵も稲で出来ちょりますので、日本人は、まっこと合理的に上手く自然と付き合うてきたがですにゃあ。
虎竹の里では収穫の終わった田んぼは、竹の選別場として使われる事か多かったですが、収穫直後の田んぼに三角に立てて乾かす稲ワラが広がっちょりました。最近はあまり見かけないのですが、あの稲ワラの光景は豊作を連想させてくれるのか、何やら嬉しく、心まで豊かになる気がするがぜよ。
あれは、どこやったか汽車の社窓から外をみたら、まるで人が整列しているかのように稲ワラを干していた田んぼがありました。四国では見たことのない光景に驚いた事でしたけんど、稲ワラの乾燥のさせかた一つにも、「わらいずみ」の違いがあるように、それぞれの地方色があって、まっこと面白いものやと思うがです。
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