先日、虎竹和紙作りの事のを少しお話させていただきましたぞね。土佐和紙の伝統を守りながら紙漉きをされている工房では、昔ながらの手漉き和紙の職人さんがおられます。竹を細かい繊維質にしてから漉き桁を使うて和紙にしていくのです。今回、運び込んでいる虎竹素材が、まだ繊維になるようにはなっておらず、竹和紙に漉いてもらうには時間が結構かかりそうではありますがそこは手作り、あわてず、急がず、ゆっくりと手間暇かけて竹和紙に漉いていただくつもりなのです。
しかし、この漉きの工程からも後からの作業も実は大変で、たとえば虎竹和紙名刺の紙を漉いた場合にはこうして一枚一枚金属製の乾燥機に貼り付けて乾かす工程も必要ながです。この機械は三角柱の形をしていて実によく出来ちょります。一面に濡れた和紙を貼るとグルリと回転して付きの面が表れます。そして、次の面もグルリと表れて、和紙の貼り付け作業をしている間に最初の一面がちょうど乾燥して取り剥がして良いようになっているのです。
こうして、まさに最初の素材から最終製品の竹和紙までずっと職人さんが紙と向き合い作り出していくのです。だからですろうか?竹和紙の名刺などでも箱の蓋を取ってみると、何ともいえない温もりのようなものがそこはかとなく伝わってくるのですぞね。
その一方で、うずたかく山のように積み上げられた竹チップを、大型機械にドンドン運び入れて製造していくコンビナート工場のような施設で製造される竹紙もありますぜよ。大量に作ると言いましても木を材料して作る紙に比べると、まだまだ規模も小さく生産量は限られているようですが、事務所で使われるコピー用紙から普通のノート用紙まで、日常的に消費される紙になるという事で竹和紙とは又違う竹の側面を見る事ができると思うちょります。
竹は、わずか3ヶ月で大きく育ち、伐採していても人手を必要とする事なく毎年どんどん生えてくる事から継続利用可能な唯一の天然資源とも言われちゅうがです。竹紙にも課題はあるように思いますが、ひとつひとつ解決していき、竹が継続的に育つと同じように続けて製造していくことができて、これからの竹林保全に役立つのであればこんな素晴らしい事はないがぞね。
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