先日は出来上がった虎竹巾着籠のお話をさせていただきましぜよ。底編みの虎竹はもちろんですが、巾着部分の布地自体も虎竹をモチーフにして、まったくゼロから作り出していただいた「竹虎」と名前まで付いたものですので、こりゃあ、まっこと普通ではないがですぞね。
ついつい、嬉しくなって少し持って歩いてみたくなったがです。この巾着籠バックに合わせて行くなら自慢の竹根杖がバッチリやろう。久しぶりに持ってみますけんど、まるで毎日提げているようにスッと手に馴染むのは、さすがに竹根やにゃあ。そして、足元はと言うと、これも自然と決まっちゃある。もう何年前の事かも忘れましたけんど、どうしても自分が履きたくて作った竹皮男下駄ぜよ。たとえ一足も売れなくてもエイ、自分が納得して一生履ける分だけでも作ろう。極端な事を言わせて頂きますと、そんな自分本位の考えだけで何とか困難も乗り越えて出来上がった下駄ながです。
さて、虎竹巾着籠も竹根杖も持った。足元は竹皮男下駄で決めちゅう...。颯爽と外に出たら、その日は太陽の日差しも強く、春の陽気というより初夏を思わせて少し暑いくらいぞね。そこで、頭には、これも自慢の竹帽子で出かける事にしたがです。
いやいや、それにしても身に付けるモノで人の気持ちは随分と変わるものですにゃあ。自分の大好きな竹ばかり提げていると、ただそれだけですけんどウキウキわくわくしてくるき不思議なものです。おっと、耕耘機が目の前を通る間ちっくと杖に身体をあずけて道で立ち止まるがぜよ。竹根の強さと、しなりの感触が心地良いのです。
そういえば、前に京都の竹屋さんから見せていただいたこじゃんと珍しい竹杖を思いだしましたぜよ。何とその竹杖には金属の棒が通されちょった。そうです、映画などで杖の頭を外すと刀が出てくる話がありましたろう?まるで、あんな感じで竹根に、まさかの仕込み杖ながです。竹根は別にそんな補強などせずとも、杖として使用するのには十分な強度を持っているハズぞね。どうしても重たくなる仕込みなどする必要はないように思いますが、どうして?仕込みなどしているのやろうか?確かに自分が持つ竹根杖などと比べたら幾分細身のようではあります。けんど、だからと言うて強さに不安があるようなものでもないし何か他に理由があるのではないか、そう思ってアレコレ考えてみるがです。
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