まっこと(本当に)見ていて惚れ惚れしてしまうような職人芸ぞね。竹籠職人さんは、菊底編みの籠と向き合い黙々と手を動かしよります。伝統の技は父親の背中を見て覚えたと言われる方も多いのですが、竹の工房では足を、こじゃんと(とても)上手に使います。足を使っての細工は、少し乱暴にさえ見える場合もあるのかも知れませんが、全身を使い、一心不乱に竹編みをされる職人さんの仕事ぶりには強く惹きつけられるものがあるのです。
鉄工所で自分用に作ってもらったという竹ひご抜きも、職人さん同様に年期が入って格好がエイが違うちや、不要なものがあったら頂いて帰って部屋に飾りたいくらいぜよ。菊底編みの竹ヒゴは、小さな竹籠からしたら意外な程長いのです。その長い竹ヒゴは、この鉄板の小さな穴を使って同じ太さに整えられちょります。
縁巻きが始まりましたぜよ。足の指を器用に使いながら、竹籠を回しては竹を通しやすいように動かします。ギュッと親指に力が入ると、籠はピクリとも動きません。ガッチリとロックされちゅうようです。籠を動かしては足の指先でロック、動かしてはロック。手はいつものように忙しくなく動きよります。こうやって見ていたら足も手も分からなくなりそうですちや。まこと器用な手が4本あるように見えてしまうがです。
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