ジャパンクリエイティブの活動の中で新しいプロジェクトに選出いただき、昨年より2度来日されたドイツ人デザイナーのステファンさんと沢山の方の協力を得ながら、竹を使うた新製品作りに取り組んできたがです。スタートしてから時間のない中での試行錯誤でしたが、まっこと去年の夏の暑い頃から開始してアッと言う間やったですちや。早くも、今回の竹家具の発表の場であるStockholm Furniture Fair(ストックホルム国際見本市)ぞね。
どっぷり竹の世界にいる自分が見ても竹というのは木でもなく、草でもなく、独自の竹という孤高の存在で、モノ作りと言う観点からしても本当に魅力的な素材やと思います。ところが、その反面非常に扱いが難しく、予想だにしない手間のかかる素材でもあるがです。最初は、まったく乗り気ではなかった今回のプロジェクトに参加させて頂く事になったのはお越しいただいた方々の伝統工芸、地域産業を盛り立てたいという気持ちと自分の持つ危機感が合致したこともありますぞね。また、自分達の竹への見方自体をもっと自由にしたり、思い込みにしばられてしまっている心を解き放したり、何かできるように思うたがです。
海外から日本を見た時のイメージには竹が強く印象づけられちょります。和の文化や伝統に深い関心や興味を抱かれる方も多く、そのような方々にとって竹とは未知な素材でもあり、また、憧れの素材と言っても良いのではないかと感じているのです。海外では竹がアート作品となり芸術品として受け入れられ、ずっと高い人気を誇っていますし、以前もアメリカから造園業者の方が見学に来られちょりましたが、庭に植えたり、鉢上としたりして観賞用の植物としても、竹は好まれて使う事が多いそうですちや。
毎年のように海外の工房から竹の仕入れのために、虎竹の里にお越し頂く尺八作家の方もおられますが、作家ご自身の素晴らしい技術や、音楽的な関心も当然の事ながら、これが日本伝統の竹の楽器だからこそ欧米の方々にも、特別な好奇心を持って広く受け入れられちゅう面もあるように思うのです。けんど、そんな竹だからこそ、その竹の持つ魅力を最大限に発揮しながら、今までになかったモノ作りを目指すという事は難しく、海外のデザイナーの方が竹をどう使っていくのかは、自分としても本当に興味があり、完成を心待ちにしちょりました。
北欧最大級の家具国際見本市、ストックホルム・ファニチャー・フェアは、ストックホルムデザインウィークに一環として開かれるそうです。世界から700社もの企業が参加する見本市は、一体どのような展示があるのか想像するだけで、こじゃんと楽しみぜよ。今回の竹家具は色々な制約の中で一つの形にしちょりますので、必ずしも思い通りのものという事でもないかも知れませんが、日本から出た事のない自分達にとっては大きな意義のある一歩であり、竹をダイレクトに感じでもらえる展示会になると確信しちゅうがです。
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