セント・ジョン・ディバイン大聖堂の不死鳥

セント・ジョン・ディバイン大聖堂の不死鳥


もうひとつ、ニューヨークでのお話をさせてください。昨日の有名宝石店から外に出て北に進むとセントラルパークがあり、そして、そこから更に北西方向に上がって行った所に荘厳なセント・ジョン・ディバイン大聖堂があるのです。教会には、あまり行く機会がありませんが、せっかくこのような素晴らしい建物があります。中を拝見させていただこうと階段を上っていきましたぜよ。


すると、その不死鳥は大聖堂の見上げるほど高く広々とした空間を、静かに、ゆったりと飛んでいるかのようでした。兎に角大きな作品ぞね、中国人アーティスト徐冰(Xu Bing)さんが創作された重さが何と6トンあり、長さは30メートルという大迫力!


徐冰(Xu Bing)さん不死鳥


ゴチャゴチャと色々な素材を組み合わせて作られていますが、これが全て廃材と言うからビックリしますぜよ。金属やプラスチック等、様々な形を組み合わされて、悠然と行く不死鳥から目が放せなくなっちょったがです。頭の方から観ても格好がエイのですが、尻尾の方から観ても悠々と飛んでゆく後ろ姿。この作家の力強い意志ですろうか?まっこと惹かれるぞね。


徐冰(Xu Bing)さんフェニックス


捨てられる色々な素材を組み合わせた巨大な鳥ですが、少し気になって真下に行ってみましたちや。ややっ!?さすが中国らしい素材を発見しましたぜよ。


不死鳥に竹


おっと、不死鳥の脚の部分に使われているのは竹ぜよ!


もう二十数年前の事かと思いますが中国の竹工場を見学に行った時に、山のテッペンから麓まで竹に覆われたような竹山が道の両脇に続く光景に目を白黒させちょりましたら、現地の竹工場の社長さんが言われていました。


「1週間、車で走り続けてもずっとこんな景色ばかり続く場所がありますよ」


その言葉を聞いて、スケールの大きさは国土の狭い日本とはまったく比べものにならないとつくづく思った事ですが、それだけ竹が多く、身近に感じながら生活の中にも深く浸透している竹文化です。


中国のアーティストが様々な素材を集めて創り上げたフェニックスの足元には、おそらく唯一の天然素材ではないかとも思ったのですが、竹がしっかりと使われているのが嬉しかったがです。まっこと、たったこれだけの事なのですが、今まで知らなかった作家の事も、この壮大な作品にもどういうわけか親近感が100倍になる!竹の心は不思議です。


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