竹籠を毎日の仕事の道具として使われている業種はいくつかあって、お茶製造会社さんもその一つではないかと思うがです。今現在使われている竹籠を拝見させていただく機会がありますが、思いもしない製造工程で竹籠が使われていてまっこと面白いと思うがですが、仕事の道具として使う籠は丈夫で長持ちですにゃあ。使われる方もプロであればあるほど愛着も感じられるがですろう。こじゃんと(とても)大切に使われちょります。年期が入っちゅう割りに傷みが少ないので一目で分かるがぞね。
そんな数十年前の籠をずっと使われ続けてきて、とうとうダメになって作り変えたいと思われた時に、当時なら専門の竹職人さんもいて同じような籠を、他の複数の会社に納めていたりしていたので、製造技術も高いし、その割りに安価に編まれよったものがいつの間にか竹籠職人さんがいなくなっちょります。そうすると、全く新しい竹製品として作らねばならなくなり、技術的にもコスト的にも難しいという時代になっているのです。
まっこと残念ではありますが、これからは少なからず、竹とは違う別のものに変わっていく事もあるかも知れませんちや。けんど、どうしても竹でないといけない工程のあるものもあります。たとえば茶葉を選別する底が格子状に編まれた籠があるがぞね。この格子状のマス目は、細かく何通りにも分かれているとの事ですが。金属製のものだと使っているうちに静電気が起こり、目詰まりしてしまい竹のように正確な選別ができないそうぜよ。
竹は軽く、しなやかで使いやすい。何よりも静電気も起こらず茶葉の目詰まりがない。昔からずっと使われて来たのには、それなりの理由があるがです。自然素材で竹より優れたものが見当たらないと思いますが、この竹籠を使うて生産される茶葉などはかなりの付加価値の高い特別な品になるとの事やったです。製茶だけの事ではありません。このように特別な用途のあるものには、やはり昔ながらの竹籠の技術がこれからも必要とされていくがですろう。
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