骨董品が並んだ店先に、随分と古いメゴ笹洗濯籠が置かれちょりました。竹ヒゴは数カ所折れて無くなっている所がありましたが、四角形にしっかりと角をとって編まれているその籠の造形の美しさに驚くがです。竹虎のメゴ笹職人も他の方に比べると圧倒的な腕前と、自分なりの強いこだわりでメゴ笹の伝統を守り続けてこられた素晴らしい職人さんですが、さすがに四角の籠は難しかったぞね。編み上がった籠は楕円形に仕上げるのが精一杯やったがです。それでも丁寧な仕事ぶりから沢山の方に喜んでいただきましたが、この昔に編まれた四角形のメゴ笹は、やはり昔の職人さんの技の賜という気がします。
さり気ないのですが何とも均整のとれた長方形をしちょります。別に肩肘張ると言うか、力の入ったところがなく、見た事もない職人さんではありますけんど、生活の道具として淡々と自然体で編まれた雰囲気が何ともエイがです。同じ形の籠を毎日毎日編み続ける事で到達する。ある種、突き詰めた完成形のような、昔の量産されよった竹籠に感じることのある足す事も引く事もない無駄のない潔さを感じて譲っていただいがです。
メゴ笹は青々とした収穫したばかりの時に編み上げていきますので、編まれたばかりと色合いが落ち着いてきた頃とは手に取った時の質感が全く違うがですが、この古いメゴ笹洗濯籠(角)は更に一段軽やかでちっくと頼りなささえ指先に伝わったきそうながですが、竹ヒゴを確かめてみると、確かに若々しい頃のしなやかさはないものの、まだまだ若い者にも負けないというような気骨の有るところを一本一本のメゴ笹が主張するかのようで嬉しゅうなるがぜよ。
恐らく50年以上前の籠ではないかと思うのですが、ヒゴそのものが、こんなにか細いのにまだまだ現役で使えそうな、丈夫さとと強度。まっこと手にしたまま、しびれてしまいますぞね。青々とした編まれたばかりのメゴ笹と枯れたようにも見える。落ち着いた色合いのメゴ笹を比べますともしかしたら別の竹かと思われる方もおられるかも知れんちや。けんど、本当のメゴ笹は色が渋くなってきてから始まります。
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