消臭用の竹炭窯にて

竹炭窯


竹炭を焼く窯にも色々な種類があり、焼き方があるものだと思います。この竹炭窯は、比較的低温で焼かれる消臭用竹炭を作りよりますが、火入れ口が別にあったり、瓦を積み重ねて土で固めた作りが特徴的ですぞね。


炭窯は今でこそ技術交流や学びの場というのもありますが、かつての山の炭窯などでは炭窯自体が、それぞれ職人のノウハウの塊で、なかなか他の職人さんに技術を見せる事はなかったと聞いた事があります。そこで、それぞれの炭窯で技術を磨き工夫されてきた過程の中で、このように独自に発展してきた窯を見る機会があるがですぞね。竹炭窯と一口に言うても実際様々な大きさ、形、焼き方があり、地域性など考えながら見ていくとまっこと面白いものながです。


窯立て


竹炭窯の場合は、備長炭などと違うて中が空洞の竹をそのまま焼くと、どうしても効率が良くないのです。だから竹の場合、多くの炭窯では均等な幅に割ってから焼くのが一般的です。しかし、この竹炭窯では歩留まりの悪さは承知の上で、丸竹の孟宗竹をそのまま窯立てされよります。これは、これで炭職人さんの焼き方や考え方があっての事ぞね自分の仕事には自信を持たれちょりますので、どちらが正しいというのはないがです。


丸竹炭


焼き上がった竹炭も、当然形状は違うちょりまして、綺麗に焼けたものはこうやって自然な竹の姿そのままで出てきますぜよ。竹炭をこのような丸竹のまま硬く、美しく焼けると面白いのですが、観賞用としてはまずまずと思われる竹炭が出てきても、中が空洞の竹の場合は強度的に使用に耐えられない事が多いがです。また、サイズ的にももっと長い竹炭があればと思われる方もおられるかも知れませんが、日本の竹炭窯の天井高を考えると、人目を引くオブジェとして活用できるような竹炭は少し難しいかも知れませんぞね。


以前、中国の竹炭窯を見学に行った事があるがぜよ。ズラリと並んだ天井の高い竹炭窯の壮観な光景にビックリしましたけんど、天井が高いだけあって長い竹も焼かれているとの事でした。そう聞くと、どれくらいの長さの竹炭が焼き上がるのか試してみたくて、試験的に焼いてもらった事がありますぞね。長くて見栄えもしますし、曲がりや割れなど味のある竹炭が焼けましたけんど、残念ながら自分が理想として思うような竹炭ではなかったがです。その後、機会があって国産の窯でも試した事がありますが、やはり、難しいにゃあと感じました。長尺物の飾り竹炭は、今のところ永遠のテーマぞね。


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