竹籠屋の米ざる

米とぎざる


お米の消費量がだんだんと少なくなってきちゅうそうですけんど、やっぱり日本人として生まれた喜びは炊きたてのアツアツのご飯ですろう。おかずとして頂く食材にしても、古くからずっと育まれてきたものには、ご飯と一緒に食べてこそ美味しいものが多いようです。別にお米が不足している時代でもないですけんど、お米が豊作だとやはり嬉しいし、新米の季節は毎年楽しみにしちょります。又、仮にそうでない方でも、どこまでも続く田んぼに黄金色にたわわに実る稲穂や、そよ風に揺られる光景を目の当たりにされますと、何か豊かな気持ちになったり、安らいだ心持ちになるのは、ずっと稲作をしてきた日本人ならではと思うのです。


そんな主食である美味しいお米を炊きあげるのに欠かせない竹の道具と言えば米研ぎざるぜよ。お米を優しく洗えるように竹ヒゴを丁寧にしつらえて、細かい竹の粒が落ちないように、しっかりと編み目を詰めた竹ざる。長くお使いのお客様からは、米研ぎざるを使うて炊いたご飯は美味しいと言うていただきます。


蕎麦職人さんが使う、竹製の蕎麦振りでも、金属製のものなど色々あるようですが今でも昔ながらの竹編みが好まれるのは、蕎麦をキズつけないからとも言われますきに米研ぎざるにも、そのような自然素材ならではの良さがあるように思うちょります。何を隠そう竹はイネ科の植物です、お米と相性がエイのは当然ながぜよ。けんど、それでなくとも竹は竹の手触りの良さ、見た目の清々しさもあり、台所にひとつ竹籠があれば気持ちが、ちっくと豊かになるように思うがです。


米研ぎだけではなく野菜や麺類など食材の水きりにも使えて重宝しますが、長く使うほどに青々とした竹の色が落ち着いた色目に変わり、渋い風合いになってくるのが魅力の一つでもあるのです。


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