来年の9/17日から10/31日までの45日間、韓国は潭陽(タミャン)という美しい竹林のある町で、世界竹博覧会が開催されますぞね。また、その会期に合わせて世界竹会議なども開かれるのですが、開催実行委員の皆様は日本をはじめ中国や台湾や東南アジアの国々、そして世界の国々から参加者を募られちゅう最中でもあり、日本には全国竹の大会に合わせて来日されていましたぜよ。
宣伝用のビデオを大会の懇親会にて拝見させてもらいましたが、曲がりくねった散歩道が通る美しい竹緑苑は本当に気持ちが良く、一度でも行った方なら又行きたくなるし、行った事のない方でも竹や自然に親しみたい方は、思わず心惹かれるのではないかと思うたがです。来年の潭陽には竹に携わる方が一人でも多く集っていただけるよう、自分達も出来る限りの協力をしたいと思うちゅうがです。
さて、せっかく日本に来られた機会にという事で、なんと虎竹の里にもお越しいただける事になったがです。通訳の金さんは何度も日本に来られた経験がありますものの、四国や高知など地方には初めてとの事で、まっこと良いチャンスやったと思うちゅうがです。
潭陽は竹の町であり、竹にはずっと親しみがあられると思うし、竹に関する見識なども他の方とは比べようもない程、高い方々だと思うがですが、虎竹の里がたったの1.5キロ間口の谷間で、その間でしかこの虎竹が育たないという事には、少なからず驚かれたご様子やったのです。自分が潭陽に行って現地の竹や文化を肌に感じたように、虎竹の里にお越しいただいてこそ感じてもらえる竹の風がある、いっつも、そのように思うちゅうがです。
竹の油抜きの工程で4メートルの長い虎竹の矯め直し作業では、山から伐採した竹がバーナーの高温により油が吹きだし、独特の虎模様が浮き上がるのをご覧いただきます。虎竹の曲がりは、この熱を利用して一本づつ矯正されていくのです。
同じ工程でも細く短い竹は小型のカンテキで竹を熱し、竹に合わせた小さな矯め木を使い作業していくがぞね。それぞれ両方をご覧いただきますけんど、曲がった竹が真っ直ぐに矯め直される工程は、こちらの方がすぐに分かりやすいのです。
この日は虎竹縁台を沢山製造していましたけんど、袖垣などにも、まず孟宗竹の芯があり、それに細く割った竹を巻き付ける、そんな手間のかかる作業には関心をもってご覧いただきました。
笑みのこぼれるのは職人さん人柄やにゃあ。言葉は通訳の方がいたとしても、かなりの土佐弁やきに、なかなか意思疎通は難しいかも知れませんぞね。けんど、国は違うても同じ竹に関わる皆さん、竹ざるを編むちょっとした仕草や、表情で場が和むがぜよ。
けんど、まっこと今回の来社はタイミングが良かったですちや。ちょうど虎竹の里では竹の伐採のシーズンを迎えちょります。竹林への道を登っていくと上の方から竹の葉がサササッとすれる音...、山の職人が伐った竹を倒しているのです。そして竹を出す山道には伐ったばかりの竹が滑り落とされちょります。
細く急な山道を100年前から登ってきた虎竹の里のこと、麓まで一束づつ運びだし選別されていく竹のこと、このような光景をご覧いただけるのは来春1月まで、いくら口で説明しても実際息をきらして登っていただいた竹林でしか語れない事がありますろう。
山の職人さんに少しお話を聞かせて頂く事にしましたぜよ。良質な竹事、竹の年数の見分け方、間引き方、虎竹の里の山の竹たちの旅はこうやって一本一本この山から伐り出され今始まったばっかり。こうして全国に散ってゆく虎竹のまさに始まりの時を、韓国からの皆さんにご覧いただき嬉しく思いゆうがです。
コメントする