圧巻の竹編みに足が止まって動く事が出来ませんでした。銘を「燦(さん)」と言う小菅小竹堂さんの手による竹の飾皿を拝見した時の事ですぞね。細かく割った竹ヒゴを、まとめて編んでいく極限の技は、日頃はあまり目にする事のない竹編みの一つなのです。
小菅小竹堂さんという方は、実はあまり知られていない竹作家の方で、ある方によりますと「幻の作家」とも言われちょります。お名前こそ表にあまり出ることはないのですが、その創作された竹の数々は美しさ、緻密さは尋常ではありません。観る者を魅了してやまないまさに天性のものを感じさせる素晴らしさにゾクゾクしたがです。
先日、飯塚琅かん斎さんの花籃「あんこう」はじめ「八窓」、そして盛籃「国香」など束ね編みを駆使して編まれた作品群をまとめて拝見させていただく機会がありました。日本の竹には血か通いゆうと思います。それは遙か縄文時代の数千年の昔から竹と日本人は密接に関係し、竹が生活の中で、毎日の暮らしの隅々に活かされ、使われてきたからですろう。そんな血の通うた竹そのままを日常から芸術の域まで高められたのが飯塚琅かん斎さんであり、誰もが知る竹の巨匠として輝き続けちょります。
小菅小竹堂さんは、この琅かん斎さんのオマージュもあるほど。ただ一人の尊敬して認める竹芸士とされていたと聞きました、この束ね編みのが飾皿ひとつを拝見させて頂いても、琅かん斎さんに一歩も引けを取らない凛とした堂々たる風格です。これだけの竹の技術と、そして何より感性を持たれた小竹堂さんぜよ。琅かん斎さんも認めた数少ない竹芸士であったと言われますが、まっこと、うなづける話しですぞね。一度お会いしたかった...心からそう思いながら作品に面影を探して、また魅入るしかなかったがです。
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