もう一つの竹人形

竹置物


佐渡の竹人形のお話をさせて頂いた事があります。シンプルな造形の中に踊り子の躍動感が伝わってくるような、竹を知り尽くした職人のセンスを感じて、まっこと嬉しくなってきますけんど、そんな竹人形とは、ちっくと作風の違うこのような竹人形もあるがですぞね。


佐渡島と言うたら、いつの頃やったか朱鷺(トキ)の繁殖で、度々ニュースにも登場して全国的にも、こじゃんと有名になっちょります。そこで主に観光で訪れた方のお土産品にしてもらおうと、竹を使うて朱鷺の置物を製作されゆうとの事やったかです。


さて、この細かい竹ヒゴが、繊細な線を描くのを見て何か思い出しませんろうか?そうぜよ、竹ブローチや竹バレッタなどに使われてきた技法が応用されちょります。先日もこの30年ブログでお話させていただいた竹ブローチを、改めてご覧いただいたら、まっこと納得いただけると思いますぞね。


佐渡土産


その竹人形には朱鷺だけの優雅なタイプの他に、佐渡おけさの踊り子が並んだタイプのものもあるがぜよ。楽しそうな踊り子を眺める朱鷺がユーモラスで、なんとも微笑ましい雰囲気に仕上がっちょりますが、こんな何でもないような竹細工ひとつにも、長い竹の伝統が息づいている事も知って欲しいと思うがです。


佐渡のお土産として、これ程ピッタリのものは無いように思いますが、机の片隅に置いてあるのを目にする度に、遠くに暮らしても自分達と同じく毎日のように、竹を手にする人達を思い出すがぞね。


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