緻密な編み込みの竹細工や見た事もないフォルムの竹工芸には、思わず声をあげられる方もおられる程です。一本の竹が思いもしないような形に姿を変えて、そこに居るのはサプライズであり、ショッキングでもあるかも知れませんぞね。
丸い竹を割って平らに叩きのばした加工をヒシギと言いますけんど、このヒシギの花籠はどうですろうか?節の形からして、そんなに大きな竹ではありません。平らにした竹を縦にシンプルに並べちょります。簡単では無いですが、このような一見そのように見える造形ほど、作り手のセンスが裸にされるようで、なかなか難しいように思うがです。
ずっと見よったら、今日の木漏れ日の中に笑い声がする。自分が入社したての頃に虎竹のヒシギを叩いてくれる。内職のおばちゃんたちが7人も8人もおって、その職人さん達には色々と教えてもろうたちや。昔の事を知らず知らず思い出しちょりました。
竹節の表情をそのまま残し、自然な竹林を部屋の中に持ってこられるような竹籠。だからこその存在感は作り手の思いも強いがですろう。とにかく懐かしい思いをさせてもらえた事に感謝ながです。
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