饂飩か蕎麦かと尋ねられたら、まず間違いない饂飩ぜよ。余程の名店であるとか美味しいと聞くお蕎麦屋さんならいざ知らず、普通にお蕎麦屋さんに入るという事はほとんどないがです。まあ、それくらいの饂飩派ではあるがですが、饂飩にせよ、お蕎麦にせよ、茹でてから水切りという工程が必ずあります。そして、そこに登場しますのが水切り用の竹籠ぞね。
饂飩ふり、蕎麦ふりとか呼ばれよりますけんど、柄のついた物を目にする事が多かったですが、実際、最近お会いさせて頂いた蕎麦職人さんなどにお話を聞くと、蕎麦ふりをそのまま直接手に持って水切りするので、柄の必要はないと言われる方も多いがです。
けんど、この蕎麦振りには圧倒されましたぜよ。幅の広い力竹の迫力と言うたらないがやきに!この力強い極太竹が十文字になっちょって竹籠をしっかり支えちゅう。更にその上を籐でクロスさせて留められちゅう。これなら毎日、毎日忙しいお蕎麦屋さんでも十分耐久性があるがですろうにゃあ。恐らく、こんな竹編みの細かさを全く考えていないような力竹は、最初から入っていたワケではないかと思うがです。蕎麦職人さんも仕事場で手際よく、力いっぱい働いちょりますので、そんな現場で鍛えられているうちに、竹編みの作りや力竹は自然と進化してきたのかも知れませんちや。
竹の蕎麦振りを使うと、蕎麦自体にキズが付かないと教えてくれました。同じような水切りは金属などでもあるけれど、自分が丹精込めて打つ蕎麦を少しでも見栄え良く、何より美味しく頂いてもらうためには、やっぱり竹ながぜよ。ずっと使いつづけられゆうのには理由があるがです。
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