磨き細工の香り

磨きの竹細工


日本唯一の虎竹は淡竹(はちく)と言う竹の仲間ぜよ。一方、青々とした竹は真竹と言う竹の種類ながです。虎竹は表皮の虎模様が命ですので表皮を削るような事は絶対しませんが、青竹は表皮の薄い部分を削る細工があるがです。これを「磨き」などと言うがですが、この磨き加工をした真竹細工の清々しさは何とも言えんがです。


ガラガラ...と職人さん工房のドアを開けたら、この青竹の表皮を磨く爽やかな香りがプワ~と飛び出してきますぜよ。まっこと、こんな気持ちのエイ香りに触れよったら、下手なアロマオイルとか、まっこと必要ありませんぞね。海外の高級な香水なども確かに素晴らしいがやろうけんど、その土地で育つ竹を、その土地の職人が昔ながらの仕事で醸し出しゆう香りやきに、自分などにしたら、ちっくと比べものにはならんがです。


竹ひご


磨きをかけた竹ヒゴを何本も何本も、天井も部屋の奥の方も見えなくなるくらい掛けちょります。これから、この竹ヒゴを使うて色々な籠を編んでいくがですろう。そう思うたら職人さんの、やる気を感じて嬉しゅうになってくるぜよ。


けんど、それにしたち、この竹の光沢...惚れ惚れする。虎竹の模様もエイけんど、磨きもエイ。青さが抜けて、色合いが段々と変わってくるところも、この竹細工の大きな魅力のひとつながです。


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