高知ではあまり行く事がありませんけんど、県外に行くと大きなデパートがあって、その地下にはいわゆる「デパ地下」そう呼ばれる食の最前線?のような食いしん坊の自分などには、見て回るだけでも楽しくなる売り場があるがです。
デパ地下も色々あるので少しでも特色をだそうと、それぞれのデパートや店舗が頑張って新しい商品や提案の仕方をされよります。田舎者の自分などは、あの彩りの中で目移りしすぎて結局何一つ買うことができない事がほとんどながですが、この夏、あまりの暑さとふと目にとまった青竹の心地よさに、つい手に取った水羊羹がありますぞね。今まで何度も見かけたのに、どうして今度だけ...不思議に思いよりましたが、後から、なるほど、こういう巡りあわせかと納得する日が来ました。
たまたま、この羊羹竹を作られている職人さんに出会うたがです。他県から虎竹の里に来られて、虎竹を見て驚くのと同じで、青々とした真竹の少ない高知からしたら、この竹の青さと、節間の伸び、太さの揃った竹には思わず吸い寄せられるようやったがぜよ。
作業場の奧ばったところに立てかけて置かれちゅうのに、まるでエメラルドのように輝いて見えるがちや。美しい...そう言うて撫でまわしよりましたら、この竹を羊羹竹として出荷されるまでを説明してくれたがです。
若竹を使うちょりますが、それでも自然の汚れなどがある竹ぜよ、山砂を使うて綺麗に磨くように洗っているがです。砂と聞いて最初はそれだと竹表皮にキズが付くのでは?そう思いましたけんど、この砂を拝見させていただいてビックリ。砂浜にあるような砂ではなく、これは磨き粉やにゃあ。とにかく細やかな粒ながです。
この粉で洗って綺麗になったものだけが和菓子屋さんに送られ、自分がデパ地下で買うたようにお客様の目を楽しませ、涼味をお届けしゆうがぞね。そう思うたら青竹に入った水羊羹は値打ちがありますちや。今度食べたら何倍も、何十倍も美味しく感じそやにゃあ。
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