けんど考えたら天然鰻とは不思議な言葉ですちや。自分の小さい頃には、あまり聞く事のなかった言葉でもありますぞね。虎竹の里で「鰻」言うたら、川で捕るものであって、どこかのお店に食べに行くとか、スーパーで買うとかそんな意識はあまり無かったですきに天然は当たり前やったきにゃあ。
最近は絶滅危惧種に指定されたりして、ますます天然物の価値が上がりゆうのかも知れませんちや。今年はウケのご注文も例年に比べて多めながぞね。ウケとは鰻筌の事で、竹を筒状に編んだ鰻捕りの道具ぜよ。これにミミズを入れて川底の鰻の通り道に仕掛けて、次の日の朝、川から引き上げると重たいくらい鰻が捕れちょった事もあるがです。
沢山捕れた時の嬉しさは何十年経った今でもハッキリ覚えちょります。なかなか忘れられない楽しい思い出やけんど、このウケを使われる方も同じような嬉しい鰻捕りができるろうか。数が少なくなっている事は自分も肌で感じますぜよ。なんせ、昔は本当に小さな用水路にも鰻やら魚やら一杯おったがです。
そして、また安価な海外からの竹製品や、プラスチックの物も色々と出回るようになっちょります。けんど日本の竹を使うて、あの鰻捕りの感激を味おうてもらいたいにゃあ。そう思うたら、まだまだ頑張らんとイカンぜよ。そして、これはウケだけではなくて全ての竹に言える事ですぞね。
コメントする