近年都会では竹の植栽が増えたというお話を、ずっと前にさせてもろうた事がありますぞね。竹は一年通して美しい緑の葉を繁らせて、凛として立つ姿は都会のモダンな景色の中でも不思議なくらい似合いますぜよ。アメリカなどでは特に竹の植え込みは重宝されちょって、高級住宅地にいくとアチラコチラで目につく大人気の植物との事です。竹の持つオリエンタルな雰囲気が欧米の方からしたら、こじゃんと魅力的に見えるようながです。
日本でも、昔なら家の近くにあって身近に感じちょった竹が、どこかの公園に行ったり、遠出の時にしか目にしない。馴染みの浅いものとなったことが、今の竹の植栽に繋がるとしたらちっくと悲しい思いですが、最初から全く知らないのと、現代の日本人のように忘れちゅうだけと言うのは、まったく違うと信じちゅうがです。
笹のように背が低く、小振りな竹が植わっちょります。竹葉や稈は、どう見ても立派な竹やのにと不思議に感じます。そもそも竹と笹の違いは結構あいまいで、専門家でも間違える事があるようなので、疑問をもって植え込まれてちゅう竹を見る方は少ないですろう。けんど、自然の世界の中ではあまり見る事のない笹のような竹。
実は、この竹は品種改良によって都会の狭いスペースに適応させた、植栽専門の竹達ながです。目に鮮やかな緑を見て心癒される事はあっても。何気に見過ごしてしまう竹ながですが、この竹にも、情熱を燃やし続けられる竹人の姿があるがです。
コメントする