誰も知らない竹根の茶椀

竹茶碗


竹の根を使うた細工も昔は色々と種類があって、竹虎の店頭にも一杯並んでいたことが思い出されるがです。竹根と言うてもご存じない方もおられるかも知れませけんど、土中に埋まった部分には竹のサイズに見合うた太い根があって、そこから細い根が縦横無尽に伸びて行っちゅうがです。


この竹根を使うたお茶碗は小さい頃から見よりましたが、自分の手の届くものではない高嶺の花と思いよりました。けんど、自分が入社させてもらった後、作る職人さんがおられなくなって、いよいよ最後の商品となった一つはどうしても売る事ができず、自分がずっと毎日の食事に使わせて頂きゆうがです。


現在ご紹介させてもらっている竹根茶碗は、偶然に知り合うた職人さんが作られゆうもので、作風も微妙に違うて、この方ならではの味わいを感じる物ですぞね。難しいのは、ひとつひとつ異なる素材のままに創作していく茶碗です。作り手の職人さんが、こんな形にしたいと思うても、竹根の言う事を聞かないと出来上がらない一品作ばかり。かなり趣味性の高い物ですし、ほとんどご存じない方が多いかと思いますけんど、興味のあられる方は是非、竹の逸品のページをご覧くださいちや。この竹の優しい手触り、口当たりは他にはちっくと無いものですぞね。


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