記録的な大雨が降る高知県ですぞね。昨夜も降り止まない雨がちっくと気にかかり遅かったがですが、今朝も大きな雨音で、いつもより早く起きちょりました。猛烈な雨で川の増水、道路や家屋の浸水など、小さい頃からの度々の台風で何度も経験しているとは言え、慣れる事のない自然の猛威を改めて感じよります。全国の皆様にはお気づかいのお言葉を沢山いただき、まっこと心強く思いよります、ありがとうございます!幸い今のところ特別に大きな被害があるという事ではありません。どうか、ご安心ください。
滝のような雨の中、どうしても思い出すのが98年の豪雨ぜよ。あの時には日頃通る国道が土砂崩れで埋もれてしもうたがぞね。テレビの映像で見ると、ものすごい大量の土砂やったですけんど、工事が終わり通る事ができるようになった山肌は想像以上に削られちょって、これだけの土砂が流れてきたら、道路はひとたまりもなかったにゃあと、背筋が寒くなる思いやったがです。
「地震の時は竹林に逃げろ」と聞いた事はありますろうか?これは、竹の地下茎が縦横無尽に根を張り、地下1メートルの厚みで、それぞれの竹と繋がり竹林全体が天然の鉄筋コンクリートと呼ばれるほど、強固な地盤になっちゅうからながです。この地下茎をつなぎ合わせた総延長はなんと1ヘクタール当たり、孟宗竹や真竹などでは180キロメートルにも達する事があり、笹類などやったら地下茎は細いものの700キロメートルもの長さになるそうぞね。
また、地下茎が土をつかんでいる力を調べたデータでは、竹林はヒノキの5~10倍もの力があるようですちや。表土の流出量について決められた時間に一定の水を流して、流れ出た土量を測定する実験でも素晴らしい成績が残されちょります。特に密生して生える笹類などでは著しい効果があり、これは昔から株立ちの蓬莱竹などが雨の多い高知や九州で、家の周りや護岸に防災用として植えられちゅう事を見ても納得できるがです。
今まで何度かお話させていただいた事のある、昭和47年高知県で起こった繁藤の大災害の山崩れの写真を見ても、隣の竹林は山崩れを起こしておらず、防災機能がしっかり働いていたと言われちょります。自然豊かな中で暮らす自分達は、常に自然の災害とも向き合うて行かねばなりません。清らかな心癒やされるようなせせらぎも、浜辺の優しいさざ波も、時によりゴーゴーと音もたてて襲いかかる恐怖そのもの。大自然の前には人間の力など、まっこと無力だと思い知らされます。
けんど、だからこそ人は昔から自然には敬意をはらい、自然に対しては自然を上手く使い対処しようとしてきたがですろう。防災用の竹林としては近年では放置竹林が増えて、逆に防災面で弱いとの指摘もあるがです。古い竹がいつまでも残っちゅうと竹林が荒れ、若い竹の出も悪くなり竹林の力が弱まっていくがです。昔のように竹を伐る事も無くなった現代に古の知恵を今いちど見直し、人がしっかり管理した美しい竹林を残すことの意義の大きさを思うがです。
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