お客様から竹バックのニューヨーカーが届きましたぞね。おっと、正確にはニューヨーカーではありませんちや、その原型となった、かつて輸出用として日本から大量に製造されていたという竹籠バック。作られた当時には白色だった竹肌の色合いは飴色に変わり、使われちゅう紐も色褪せた感じになっていてやっぱり時代を感じさせてくれる籠ながです。
どうして竹虎に、この竹籠バックが届いたかと言いますと、実は持ち手の付け根部分が折れてしまっていて、この部分の修理ができないかと言う、お客様からのご相談やったのです。もちろん数十年も昔の商品ですので竹虎のものではありませんが、竹細工だからと当社をご指名いただける事は、まっこと光栄なのです。自然素材のものは、こんな場合にも修理ができるというのが、ひとつ大きなエイところでもありますぞね。ただ、この白竹の色合いの違いは時間が経過しないと出ないので、修理した手の部分だけが白く、ちっくと違和感が出来てしまいそうぜよ。
この竹籠バックで今まで見ていたものと少し仕様が異なっちゅう所がありました。それが口の留め部分ながです。両サイドから口を閉めて合わせると片方には四角の穴が開けられちょって、そこに、もう片方から竹棒を通して引っかけて留めるのです。
日本から竹が輸出されていた当時の事を知る職人さんや関係者の方は、もうほとんどがおられなくなってしもうてお話を伺う事も出来なくなりました。けんど同じ型のモノが、かなりの量、海を渡っていったと思われます。もしかしたら、もっと色々な形のものがアメリカに残っていて、アンティークとして飾られたり、使われたりしているかも知れんちや。どこかで又偶然出会う事があったら、こじゃんと嬉しいろうにゃあ。楽しみにしちゅうがぜよ。
コメントする