その竹工場では竹串を作りよりますぞね。竹串と一口に言うても数十センチの長いものから、楊枝くらいの短いものまで色々とあるがです。輸入のものが沢山ある中でも、やはり国産でしっかりした作りのものをお求めいただく方は沢山おられますので、昔からやって来たように自然の竹をそのままに、竹の一番強い表皮部分を活かしながら製造されよります。
その工程の中で竹の細かい屑が出るがぜよ、まるで針のような細い繊維が出て山を作っちょります。縦に繊維が走る竹ならではの屑であり、同じような工場でも木工所などでは見ることのできないものですろう。これを見るだけで小さい頃の思い出が蘇るほど見慣れたものの一つ、竹工場で働くと、手袋やら、前掛けやら衣類にささって、なかなか取れませんので、昼休みに帰ってくる職人さんには竹屑がいっぱいやったにゃあ。
竹を家畜の飼料として使われる所もあるがです。主に孟宗竹を原料に細かい竹粉に加工して与えよりますが、一見すると丸く細かい粒のように見える小さな竹粉は、顕微鏡で確認したら、やはり針のように細い繊維やそうです。この状態では飼料として適さないので、機械メーカーさんが研究の末に竹繊維を薄いスライス状にできる特殊な加工歯を開発されたと聞いたのですが、目で見えないほどの小さいパウダー状になっても、やはり、竹は竹の特徴を持っちゅうものやと感心するがです。
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