はじめて社会人として働き出して一番最初にいただいた給料で、自分の両親にプレゼントをしなさいと、とある大先輩の方に教えていただいた事がありますぞね。その方の会社では働きゆう社員全員にそう教えて実行されゆうそうです。教えるだけなら、まだしも実行してもらいゆうとは凄いにゃあ。そう思うて竹虎でも数年前から真似させてもらいゆうがです。
まず、自分がそんな事をした事がないですきに、社員にやり方を説明する事も兼ねて全員に集まってもろうてから、両親にプレゼントさせてもらいましたちや。母がこじゃんと喜んでくれましたきに、自分も嬉しくなってそれ以来毎年新しい方が入社する度やりゆう事ですが、先日、ある方から両親へのプレゼントをどんな風に渡すのか、全社会議の様子を教えて欲しいとのお便りを頂戴したがですちや。
大先輩の方の真似をしゆうだけですし、まっこと恥ずかしい限りですけんど、田舎者の小さな竹屋の事。笑うてご高覧いただけたらと思うちょります。やり方は簡単ながぜよ、両親に座ってもろうて自分は正座して、手をついて決められた台詞を言うだけ。
お父さん、お母さん、今まで○○年間お世話になりました。元気に働いてこれたのもお父さん、お母さんのお陰です。ありがとうございます。今日は給料の中から、お父さんには好きな○○を、お母さんには○○を買ってきましたのでプレゼントさせて頂きます。今後とも親孝行を続けてまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
ただ、これだけですぞね。プレゼントと共にこの紙を読むだけでエイがですが、ちっくとコツがあって、社員にやってもらう時にはお互いが恥ずかしがってか、なかなか出来ないそうなので「社長命令で、どうしてもやらないといけないから」と、両親にもキチンと座ってもらうようにすると良いそうながです。
自分は自分が誰か知らず、目的もなく、誰の役にも立てない何の取り柄もない男やったがぜよ。その時は、自分だけが辛い、辛いと思いよりましたけんど、
いやいや、どうして。
今になって、ようやっと分かりましたけんど、両親に、どれほど心配をかけてしもうた事か、自分より何倍も辛い、悲しい思いをしたろうか。だから、今度こそ泣かんつもりやったけんど、毎回同じ事を決まった通りに言うだけの事ですけんど、たったそれだけやけんど、全社員が見よっても何でも関係なく涙が次から次からあふれてくるがです。
母は用意しちょった椅子から降りて、足が痛いろうに、正座してくれちょりました。父親も同じ気持ちやったですろう。
まっこといつまでたっても自分は子供です。いつも、ありがとうございます。
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